☆長編☆
□☆5話☆
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『うぅ〜…』
「んな顔してもダメ」
『銀ちゃん…』
「んな可愛い声で呼んでもダメ…」
『……』
「……」
テーブルを挟んで銀時と咲莱が何やらもめていた。
「銀さん…そろそろ返してあげたらどうですか?」
「そうネ!!別に銀ちゃんが払ってるわけじゃないネ!!」
見るに見かねた新八と神楽が銀時を見た。
『もうマジで早く返して?!約束の時間に間に合わなくなるじゃん!!!』
咲莱が取り上げられたもの…それは携帯だった…
「誰と出かけるのかちゃんと言えば返してやる」
銀時は携帯のストラップを持ちながら咲莱を見た。
『言ったらマジで返してくれるんだね?』
「あぁ」
『新八君と神楽ちゃんも聞いたよね?』
「はい」
「聞いたネ!!」
二人は咲莱を見た。
『一緒に出掛けるのは土方さん。…はい。携帯返して』
咲莱は手を出した。
「……」
『早く返して?』
「…ダメ…」
銀時はジャンプを読み始めた。
「銀さん…約束したんだからちゃんと返さないとダメですよ!」
〜♪〜♪
その時、携帯が鳴った…
「…もしもし〜?」
『ちょっ…!?何勝手に…』
「お前…なんで海葉の携帯持ってんだよ?」
「別にお前にゃ関係ね〜。」
「海葉に代われ…俺はアイツに用があんだ」
『もしもし?!土方さんごめんなさい!すぐそっちに行くから!』
咲莱は銀時の隙をついて携帯を奪い返した。
「あっ…あぁ…気を付けてこいよ?」
『うん。』
咲莱は電話を切った。
『…最低…』
咲莱は銀時を睨んで部屋を出ていった。
「銀ちゃん…いくら姉貴の事好きだからって、あれはやり過ぎアル…」
神楽は銀時を見た。
「銀さん…心配なのはわかりますけど、土方さんなら大丈夫だと思いますよ?」
「だから心配なんだよ…」
銀時がつぶやいた。
「銀ちゃん…」