☆長編☆
□☆第3Q☆
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『なんで…私まで……』
月曜朝8時40分…誠凛高校屋上…
「フッフッフッ…待っていたぞ!」
リコが仁王立ちで1年を迎えた。
「…アホなのか?」
「決闘?」
新入部員が本入部届を手に屋上に来ていた。
『てか…忘れてたけど……月曜日って…』
「あと5分で朝礼じゃねーか!」
下の校庭を見れば、全校生徒が集まっていた。
「とっとと受け取れよ!」
火神がイライラしながらリコを見た。
「その前に一つ言っとくことがあるわ。去年、キャプテンにカントクを頼まれた時約束したの」
リコが話しはじめた。
「全国目指してガチでバスケをやること!もし覚悟がなければ同好会もあるからそっちへどうぞ!!」
「…は?そんなん…」
「アンタらが強いのは知ってるわ。けどそれより大切なことを確認したいの。どんだけ練習を真面目にやっても「いつか」だの「できれば」だのじゃいつまでも弱小だからね。具体的かつ高い目標とそれを必ず達成しようとする意志が欲しいの」
『高い目標…』
咲莱はつぶやいた。
「んで今!ここから!!学年とクラス!名前!今年の目標を宣言してもらいます!」
リコは校庭をさしながら言った。
「さらにできなかった時はここから今度は全裸で好きなコに告ってもらいます!」
「えぇーー!!?」
『マジ…ですか…(苦笑)』
「ちなみに私含め今いる二年も去年やっちゃったっ」
「はぁ!?聞いてねー」
「いや勧誘の時言ってた…!」
「けどまさかここまで…」
一年がざわつき始めたときだった…
「さっきも言ったけど、具体的で相当の高さのハードルでね!「一回戦突破」とか「がんばる」とかはやり直し!」
「はっ…ヨユーじゃねーか。テストにもなんねー」
火神は呆れたようにため息をつき、手すりにひょいっと乗った。
『火神君!』
「1−B 5番!火神大我!!《キセキの世代》を倒して日本一になる!」
火神の宣誓で、校庭に集まっていた生徒たちは驚いていた。
《うっわ…やっぱ今年もやった》
日向は冷や汗を流しながら、屋上を見た。
「次は〜?早くしないと先生来ちゃうよ」
リコが他の部員を見た。
『……』
咲莱は無言で、手すりの方に歩き出した。
「あれ?咲莱ちゃんはいい…」
『1−B 海葉咲莱!!』
リコの静止を遮るように、咲莱は宣誓を始めた。
『マネージャーとしてバスケ部のみなさんをサポートして、絶対に日本一にしますっ!!』
「海葉…」
『はぁ〜…なんかスッキリしますね♪』
咲莱はニコっとしながらリコを見た。
「ほら!女の子の咲莱ちゃんだってやったのよ?さー次は誰がいく?」
「すいません。ボク声張るの苦手なんでコレ使ってもいいですか?」
「わぁ!」
リコの隣に黒子が現れ、なぜか手には拡声器が…
《どっからそんなもの…(苦笑)》
咲莱は苦笑いをした。
「…いいケド」
リコがOKを出し、黒子がスゥ…と深呼吸をし宣誓をしようとした瞬間…
「コラ―!!またバスケ部!!!」
「あら今年は早い!?」
教師がやってきて、こっぴどくしかられたのでした…