☆短編☆
□☆一緒に…☆
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誠凛高校体育館
…シュッ…
ガンッ!!!
「…くそっ!!」
『そろそろ鍵閉めたいんですけど〜』
「もうそんな時間か…わりぃ…すぐ片す…」
『…片付けるの手伝うよ』
日向順平…誠凛高校バスケ部主将。
そして、マネージャーの海葉咲莱。
「着替えてくっから…」
日向はタオル片手に部室へと向かった。
『急いでくださいね〜』
咲莱はボールの入ったカゴを押しながら日向を見送った。
数十分後…
「海葉?」
日向は咲莱の姿を探したが、本人の姿はない…
《帰っちまったか…》
「…はぁ………っ?!」
小さくため息を吐くと同時に、腕に冷たい感触が…
『ビックリした(笑)?』
「ビックリした?…じゃねーよ!!ダァホ!!!!」
『怒ったぁ〜(笑)』
咲莱はケラケラと笑った。
『喉乾いてるかな〜って。はい!』
「初めから普通に渡せよ…ダァホ…」
日向は咲莱からドリンクを受け取った。
「…つ〜か…俺、一応センパイな?」
『そうだね♪』
「『そうだね♪』じゃね〜よ…」
『明日だね。決勝リーグ…』
咲莱は日向の言葉を遮った。
「ぁ…あぁ…」
『決勝リーグ終わったら、日向先輩に言いたいことがあるの』
咲莱は静かに…そして少し震える声で言った。
「なんだよ?」
『今はダメ』
咲莱はニコッと笑った。
「わかった。終わるまで聞かねーよ。」
日向はポンっと咲莱の頭をなでた。
「今日は早めに寝ろよ〜。明日、ぶっ倒れてもしらね〜かんな」
『先輩もね♪』
咲莱は軽く日向の腕を軽く小突いた。
そして、駅で別れた。
〜咲莱side〜
いつからだろう…
気づけば、日向先輩を目で追っている…
入学して、特に部活はやろうとは思ってなかった…
バスケ部の前を通ったら、リコ先輩に呼び止められて「あなた!マネージャーにならない?」って言われて…
初めは断ってたんだけど…
「やってみてダメだったらやめてもいい」
…って日向先輩が言ってくれた
初めは失敗ばっかだったけど、先輩たちに助けられて今では楽しいって思えるようになった
『明日…勝てますように…』
私は空に向かって呟いた。
…しかし、決勝リーグ第一試合の桐皇学園戦は112対55のダブルスコアで惨敗…
二日目、三日目の試合も負けてしまい誠凛高校のインターハイへの挑戦は終わってしまった…