☆短編☆
□☆風邪☆
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誠凛高校体育館…
「咲莱〜!」
『はい!今、行きます!!』
日向に呼ばれ、急いで向かう咲莱…
『どうしました?』
「この間練習したシュート動画ってまだある?」
『あります!』
咲莱は「ちょっと待っててください」と言い、部室に携帯を取りに行った。
『お待たせしました。一昨日のでいいんですよね?』
「あぁ。ちょっと見せて」
日向は咲莱に寄り添うように携帯を覗き込んだ。
「…ちょっと今からシュート打つから、また動画撮ってくんね?」
『わかりました♪』
咲莱は返事をし、日向に言われた位置に移動して動画を撮り始めた。
「遅くまで悪かったな」
『大丈夫です♪』
日向は体育館のカギを閉めた。
「コレだ!ってフォームがなかなかできなくてな…」
『じゃあ、いつでもクラッチタイムオンにしておけばいいんじゃないですか?』
咲莱がからかうように日向を見た。
「ダァホ!んな事できるわけねーだろ!」
『冗談ですってば〜(笑)』
「冗談に聞こえね〜」
「海葉」
ワイワイと騒ぎながら歩いていると前方から声が…
「火神。」
『火神君。どうしたの?』
「待ってたんだよ…ホラ…さっさと帰るぞ」
『あ…うん。日向先輩、また明日!』
「おう。き〜つけて帰れよ」
咲莱と火神は日向に頭を下げて校門を出た。
「……」
『…ねぇ〜ってば!!』
「ん?」
『さっきから声かけてたのに…どうしたの?ハンバーガーもほとんど食べてないし…』
咲莱は火神を見た。
「最近…キャプテンと一緒にいんの多くね?」
火神はそういうと、目の前に山盛りになっているハンバーガーを一つ取った。
『そう?』
「そう思ったから言ったんだよ…お前は、バスケ部のマネージャーでキャプテンだけのマネージャーじゃね〜だろ?」
『何それ…自主練の時に呼ばれるから練習の手伝いしてるだけじゃん』
「じゃあ、俺が呼んだらすぐ来んの?」
『火神君…もしかしてヤキモチ妬いてんの?』
咲莱はそういうと、ドリンクを飲んだ。
「はぁ?!」
『そっか…ヤキモチ妬いちゃってるから、そんなに拗ねてるんだ』
「バカ言ってんじゃねーぞ!誰がヤキモチなんかっ!」
『はいはい♪』
「それに俺はお前の事、女としてみてねーし」
『……』
それまで笑って話を聞いていた咲莱の表情が一瞬にして変わった。
「海葉?」
『私…帰るね…』
咲莱はカバンを持って席を立った。
「ぉ…おい」
『じゃあね…』
咲莱は店を出ていった。