東方幽燈園

□始まりの終わり
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あれから戦いの展開は地を往く雪弥組と空を往くレミリア一行で大きく分かれた。











レミリア一行



「三人で二人を!? ・・・いいわ、任せたわ!」

レミリアは少し戸惑いながらも承諾して二人に見合った。

確かに、七人で四人を相手にすると混戦になる可能性が高く危険が多い。
ならこうして割った方がいい時もある。

「咲夜、パチェ、魔理沙、援護は任せたわよ」

レミリアは蝙蝠の様な羽を広げると二人に飛び込んで赤い槍を棒の様に叩き付けた。
二人は避けるとレミリアに拳を振るうが一人はレミリアに、もう一人は咲夜に足で止められていた。

そこへ魔理沙とパチュリーの弾幕が二人に狙いを定めて飛んできた為空に上がると魔理沙が突っ込んで行った。

「『ブレイジングスター』」

一人のフランに激突し、後方に連れ去るが勢いが徐々に無くなっていき最終的にはフランに止められた。

「嘘だろ!?」

フランが右腕を振り上げると同時にその後ろに咲夜が現れて蹴りの体制に入っていた。

「・・・不味いわ!」

珍しいパチュリーの大きな声に場に緊張が走る。
既に咲夜の後ろにフランが回り込んでいたのだ。

「いいわ、そのまま行きなさい!」

その上空からレミリアは咲夜の後ろのフランに槍を投げつけた。
そのフランは槍を簡単に躱すと咲夜に背中を見定めた。

咲夜はレミリアの言葉を信じて蹴りを止めずにいる為に無防備だが、咲夜がよければ魔理沙が危ない。

パチュリーが唇を噛み、険しい表情をする。
すると不思議な事が起きた。

フランが避けた筈の槍が先程よりも強烈な速度で地面から返ってきて咲夜の後ろのフランを貫いたのだ。

『ッ!!』

三人が驚いた表情をする中、レミリアが歪な笑みを浮かべていた。







雪弥組



「せいっ!」

大鎌を振り回して二人のフランを払い除けると一人が赤い鎌を手に取った。

二つの鎌がぶつかり合い、火花を散らしていると横からもう一人が走って近付いて行く。

「はあっ!」

美鈴が進路を塞いで拳を突き出すとフランはその拳を受け止めてにやついていた。

「ッァ・・・!?」

美鈴はその瞬間には左手でフランの肘を強打していた。

腕を伸ばしきって拳を止めている腕の肘を強打すれば怯まない奴の方がおかしい。
怯んだフランに足祓いを掛けてそこから無理矢理巴投げの様な形で後ろに投げ飛ばす。

雪弥は横目で見ながらニヤつき、二人のフランがぶつかり合って倒れるのを見た。

「神技『陰陽鬼神玉』」

その上から霊夢が巨大な陰陽玉を投げ付けて地面に二人を押し潰した。

その陰陽玉が真っ二つに切れると鎌を持ってない方が煙の中から飛び出してきた。

「それが甘いんだよ。 獄符『烈火縁迅』」

大鎌から緑の衝撃波を放ち、当たったフランが怯んだその瞬間に高速で近付いた雪弥の一撃で切り裂かれた。

雪弥がチラッと空を見るとレミリアが一人のフランに対して槍を投げようとしていた。

「ツヴァイストリガー『エア・ストライク』」

雪弥は宙に浮いたその状態でスペルを発動し、弾が放たれると同時に勢い良く後ろにぶっ飛んだ。

「雪弥!?」

ある点まで来ると鎌の刃を地面に突き刺して無理矢理ブレーキをし、鎌を離すと同時にロングライフルの銃口を両手で持ってその場で一回転してから飛んできた槍の柄にロングライフルの取っ手を叩き付けて野球の様に打ち返した。

その雪弥は歪な笑顔を浮かべていた。
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