東方幽燈園

□対面
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幻想郷・地獄











翌日、僕は地獄の小舟の上に乗っていた。
もちろん昨日の報告だが、僕はまだ自分の上司とも会った事がない。
それの言及もある。

……あっ、小町の姿が見えた。
これは丁度いいな。

「おーい、小町ー!」

「あれ、雪弥じゃないかい! どうしたんだい、こんな場所に」

僕は小舟から飛び降りて歩きながら話した。

「少し報告に。 あと少し時間を開けたし、上司の人と会えるかと思って」

「丁度いいね、私も今からお前の言う上司の所に行くんだよ。 一緒に来るかい?」

「えぇ、勿論。 道分かりませんし」

どうやら本当に丁度良かったようだ。
小町さんが居れば多分円滑に話が進むだろう。

「ところで雪弥。 なんか少し雰囲気変わったかい?」

「いや、僕は分からないけど。 あまり覚えもないし」

「そうだねぇ。 少し男らしくなった気がするね」

よく分からないが、まあいいだろう。
よく分からないし。











〜青年移動中〜











地獄・裁判所

「映姫様ー! 新入りを連れて只今戻りましたよー!」

「御苦労様です、小町。 貴方が燈雪弥ですね」

「はい、最近死神になりました燈雪弥といいます。 まだまだ至らないところもございますが、よろしくお願いいたします」

「礼儀正しくてよろしい。 私は四季映姫(しきえいき)・ヤマザナドゥです。 前回は私が行く予定でしたのに行けず、申し訳ありませんでした」

「いえ、お構いなく。 小町さんに助けていただいたので大丈夫です」

これは予想外だ。
なにが予想外って外見は子供なのだ。

「珍しく小町が役に立ちましたね。 では雪弥。 報告とはなんです?」

僕は人里で起きた事の経緯を話した。

「なるほど、それはご苦労でした。 しかし魂を握り潰した、と言うのはどうなるのでしょう? 小町、分かりますか?」

「その筋肉質な魂ってのなら見ましたね。 かなり外見があれなんで目立ちましたよ」

「ならきちんと処理はなされている様ですね。 雪弥、貴方には引き続き人里の警護にあたって貰います」

「えっ、でも死神の仕事からは外れてしまうのでは・・・・・」

「その点に関して、話しておく事があります。 小町も聞いてください」

僕と小町は顔を見合わせ、疑問を持ちながらも話を聞き始めた。

「ここ最近、幻想郷では異変が起きているのです」

「それって、最近幻想入りしてくるものが増えているという話ですか?」

「それも関与していますね。 直接的な関係があるかは不明ですが、妙に悪質な魂が増えているのです」

「僕が処理した魂もですね」

「見たのでしたら分かる通り、凶暴であり人里に危害をもたらす可能性があります」

「なるほど・・・その為僕は人里の警護に回るんですね」

「放置してまだ死期ではない人間が大量にここにくるのも痛ましいものですから」

「・・・・・勿論です。 なら僕はそちらの仕事に専念させていただきます。 小町さんが忙しくならないのは残念ですけど」

「それは私も残念です」

「何を言ってるんだい、お二人さん。 私が忙しく無いのが一番平和なんですよ」

「そう言う事では・・・まあいいです。 雪弥、貴方には期待しています」

「分かりました、映姫様。 期待に応えれる様に頑張ります」

「私に期待はしないんですか? 映姫様 」

「貴女はサボらずに働いてくれればそれで良いです」

「はいはい、分かりました。 では、失礼させていただきます」

「僕も失礼します」

僕らは裁判所をあとにして話しながら幻想郷に戻っていった。







「・・・・・これでいいんですか? 全く、あの人を利用して何をしようというんですか」

「まだ分からないわよ。 あの子がどういう動きをするかによって、こっちの動きも変わるもの」

「いいですけど、既に私の部下なのです。 変な事はしない様に願います」

「分かってるわよ。 あくまで幻想郷の平和を守ろうとしてるのに変なちょっかいは出さないわよ」
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