東方幽燈園

□語り〜卑劣な罠〜
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「この節はありがとうございました」

「いいんですよ、こういう時はお互い様です」

飲みに飲みまくった翌日、何処で話を知ったのかジェイソン退治の礼を言いに里の人達がやってきた。
よりによってこの時だ。
二日酔いで死にそうだ。

「あの・・・来ていただいて悪いんですけど日を改めていただけるとありがたいです・・・」

「は、はい、お昨日は随分とお飲みになったんですね・・・」

玄関先でさえ酒の臭いがするんだ。
よく分からんがそれだけ飲んだんだろう。

「では、失礼しますね・・・」

僕は玄関を閉め、家の中を彷徨く。
殺人的な二日酔いだな・・・全く・・・

・・・あいつらはまだ寝てるのか。
僕が寝てないだけなんだが、二人は簡単に起きないだろう。
今日はやる事があるのに、どうすんだよ・・・

二人の酔っ払いを見て、僕は小さく溜め息を吐いた。
よし、放置していこう。
どうせ危険は無い筈なんだ。

僕はフラフラしながら二階上がり、また溜め息を吐いた。
忘れてた・・・二階ぶっ壊れたんだよな・・・
くそ、今度紫に直させてやる。

ここに居たくなくなった僕は昨日の箱だけ持ってすぐ下に降りた。

改めて箱の中身を確認すると昨日通りの物が中に入っていた。
拳銃二丁にホルスター、衣服とコンタクト。
これで幻想郷に入り込んだ外敵を倒せって事だろ。
・・・気になる事もあるが今は分からない、考えるより行動だな。

今着ている死神の服を脱ぎ、紫の用意した服を見る。
青色を基調にして身丈の上の方が暗い色で、下に行くにつれて明るい色になっている。
デザインとしてはローブだが、このドレープ感はなかなかに邪魔にならないか?
膝くらいまであるぞ。
しかし和服的な雰囲気を残して生地は絹だ。
流石に少しは動きやすさを考慮したのか袂はない。

しかし、衽が全体を通してボロボロに加工されている。
死霊らしくって事か?
それに生地の薄さや帯が無い事を考えるとこれは・・・洋服だな。
だって中に着る濃い青色のワイシャツあるし。

ズボンは今のとはとって変わり、黒色の細身のズボンだ。
そりゃ細身のじゃないとホルスター付けれないしな。

総じて洋服と和服の中間的な服であり、私的には死神の服よりかは動きやすいし色合いも好きだからあり。

着替えてからホルスターを付け、銃を持つ。
うわ、軽っ!?
一体何で出来てんだこの銃?
気になるボタンも何個かあるが、今は放置。

そしてコンタクトを付けて・・・うわ、スゲー違和感。
いきなり見えなくなったからな・・・

顔を水で洗い、少しスッキリした。
よし! これでいいだろう。
さっ、行こうか!

鎌を背に掛けて家を後にした。
多分、あの二人は起きたら勝手になんかするだろ。
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