東方幽燈園

□平和
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人里








あの透明の奴をぶっ倒してから二日ーー
僕は家の前で幻想的に来て初めて稽古をしていた。

先に人里を二周ランニングして演舞を一通り、そして腕立て伏せを行なっている最中だった。

「雪弥さん、なにやってるの?」

人里の子供達が家の前を通り、そんな事を聞いてきた。
これは丁度いい。

「ちょっとした特訓だ。 誰か、僕の背中の上に乗ってくれないか?」

「えっ、いいの?」

「あぁ、遠慮しないで」

すると遠慮なしに背中に飛び乗ってきた。

「ぐおおぉ・・・! 流石に飛び乗るのは不味いかな・・・!」

なんとか潰れない様にキープし、腕立てを続けていく。

「雪弥兄ちゃん、あとどれくらいやるの?」

「そうだな・・・! 236・・・あと64回だな・・・」

「そんなにやるの!?」

子供達が驚愕して僕を見る。

「少し過剰な回数だから・・・! 君達は真似しないで・・・! ふんっ!」

「そんなの真似できないよ。 なんとか二十回くらい」

「それが普通・・・だ! 因みに今、どれくらいの時間か・・・! 誰か分かる・・・?」

子供達が即席で作った日時計を見ると10時くらいを差していた。
まずい、予定より遅れてる!

「260、261、262・・・」

「うわ、早い!」

「298、299、300! よし終わり! もう降りていいよ、ありがとう」

次は腹筋と背筋を150回ずつしていこうか!

僕が足を屋根にかけて逆さ吊りの状態で腹筋していると次は魔理沙がやって来た。

「おー雪弥。 なんかスゲー事してんな」

「魔理沙もやってみるかい? ふっ!」

「遠慮しとく。 魔法使いが体鍛えるわけないぜ」

「ふんっ・・・それもそうか。」

「いつまでそれをやってるつもりなんだ?」

「150回やり終わるまで」

「150!? よくそんなにやるな。 疲れないのか?」

「元より毎日の日課だったんだが! 最近ドタバタして・・・いたから出来てなくてな・・・!。 魔理沙は何しにきたんだ・・・?」

「へっへーこれを見るんだぜ!」

魔理沙が前に広げたのはガウンの様な服に加工されたこの前の黒い布だった。
僕が渡した紫の用意したガウンも一緒に縫い合わせてもらい、また別のマジックアイテムにしてもらった。

「おぉ! なかなかな仕上がりじゃないか! 魔理沙に頼んで正解だったぜ!」

「私もやるものだろ?」

僕は反動をつけて足を外して上手く下に着地する。

「流石にワイシャツ一枚だと寒くてな、早めの完成で助かる。 それは一階の机に置いておいてくれないか? 僕は汗を洗い流すから風呂に入る」

「おう! 昼飯は風呂上がりにか?」

「そうなるな。 ・・・先に言うが簡単なものしか作らないぞ。 僕も金はあまり持っていないんだ」

「香霖との物々交換なのによく言うぜ」

シャツを脱ぎ、脱衣所の端に投げる。
あれだけ汗で濡れたら洗濯しなきゃならん。
次からは上を着ないでやるか?

「おー、筋肉質な体だな。 外見に似合わないぜ」

「なんだって?」

「なんでもないぜ」

扉を閉めてズボンを脱ぎ捨ててトランクスも脱ぐ。
そういや全くパンツの替えとかないな。
あとで探してみるか。

「ふうー・・・ 久々にゆっくり風呂に浸かった気がするぜ・・・」

湯船に潜り、目を瞑って考え事を始めるーー
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