東方幽燈園

□特訓
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「紫は僕の知り合いをこっちに呼ぼうとしているかもしれない」

『な、なんだってー!?』

「しかもよりによって君等と同年代の女の子だ」

「その真意はなによ。 まさかなんも理由なく連れてきたりはしないでしょう」

「理由なんて分からんさ。 あいつは正真正銘、普通の人間の筈だからな」

「でも、まだ来てないんだろ? なんとか先に先手を取る事は・・・」

「無理そうだな。 出来るならまだ困らない」

「だよなぁ・・・」

「けど、無理矢理連れてこようとはしてないんじゃないかしら」

「なんでそう思うんだ?」

「紫が本当にやるならとっくに連れてこられてるわよ、無理矢理に」

「うーん・・・」

雪弥が頭を抱えると霊夢が質問した。
当たり前に気になる事であろう。

「一体誰を連れてこようとしてるの? やっぱり大切な人の訳?」

「そうだね・・・ 多分大切な人だったーーいや、覚えていなくても大切な人だったとは自信を持って言えるよ」

雪弥が見せた事のない様な感慨深い表情をすると二人はなにも言えなくなった。

「ったく・・・最後の最後どころか死後にまで心配かけさせやがって」

「・・・その子が親友以上恋人未満って言ってた人よね」

「そうだな。 幼い頃からの知り合いって言うか、気付いたら一緒にいるような仲だったな」

「ふーん・・・なら巻き込むわけには行かないわね」

霊夢は少しつまらなそうな顔をすると立ち上がり、お払い棒を取り出した。

「いい? あんたを1日で私達レベル・・・紫をぶっ倒せるだけの実力をつけてもらうわ」

「・・・スペルカードってやつだっけ? 1日でなんとかなるもんなのか?」

「あんた次第よ。 如何に早く対応するかですもの」

「猶予が無いから私達もスパルタでやるぜ。 覚悟は出来てるか?」

「出来てない訳がないだろう? スパルタには慣れているんだ、ガンガン来い」

その言葉を聞いて二人はにやけ顔をし、雪弥は少し不安をつのらせた。
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