東方幽燈園
□始まりの眠り
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幻想郷(げんそうきょう)・白玉楼(はくぎょくろう)
……どれくらい歩いた?
歩けど歩けど、風景が変わってる気があまりしない。
僕はとうとう限界に到達し、倒れ伏せた。
『雪弥先輩……』
またさっきみたいに幻聴が聞こえてくる。
僕は幻聴に頭の中で言葉を返した。
あぁ……すまん……
もう限界だ。
最後まで頑張れなくて悪いな……
『いえ、雪弥先輩は頑張りました! ほら、奇跡は起きたんですよ!』
き……せき……?
虚ろう意識で前を向くと、さっきは無かった大きな門が前にあった。
「と、ど……け……!」
僕は門に腕を伸ばした所で意識が遠くなった。
ーーありがとな、早苗(さなえ)ーー