Novel

□ヒーローと悪魔
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「よう、バカ類。何またヒーローとか言っちゃってんの?お前いくつだよ」

「…ん?!ぶはぁ!!!なんだとぉ?!またヒーローをバカにしたなぁ!!大和!!!」


聞き捨てならない言葉が聞こえて目を開けると目の前に嫌な笑みを浮かべた幼馴染の一ノ瀬大和がいた。


朝から喧嘩売りやがったなぁ!大和とはガキの頃から一緒で、よくヒーローゴッコをして遊んだっていうのにちょっとデカくなったらこうだ!あーくそ!せっかく大好きなジャスティス様の夢見て幸せな気持ちだったのに!


「あーアホらし。いつまでもヒーローとか言ってっから赤点なんか取るんだ」

「ゔっ;それは…テストの前日に深夜アニメやっててついそれをみちゃったせいで…」

「あーはいはい。赤点とったのはヒーロー様のせいだって認めるんですねー」

「ちがぁう!第一その日やってた深夜アニメは魔法少女キラリンだし!ヒーロー物じゃねぇし!!」

「うるせぇ高1にもなって1人で起きれねぇくせに威張るな!とっとと支度しろアホ!」


まったく!喧嘩売ってきたのは大和の方なのにっ!そもそも俺、朝起こしてなんて頼んでねーんだけど?!昔の癖か、毎朝起こしに来るんだよなぁ!そんでヒーローにケチつけんだ!!


まぁ遅刻はジャスティス様に怒られそうだからな!学校行く準備するか!


「あ、大和先に行ってろよ。俺、ちょっと寄るとこあるし」

「は?どこに寄るんだよ?」

「別にいいだろっ」

「怪しい」

「怪しくもなんともねぇよ!ちょっと河原寄ってくんだよ!」

「河原?なんで?」

「根掘り葉掘り…お前は俺の親か;昨日さ、捨て猫見つけたんだよ。うち母ちゃんが猫アレルギーだから飼えねぇし、とりあえず食いもんぐらいあげないとじゃん?」

「は?そんなんほっときゃいーだろ」

「ばっ!!!お前は悪魔か?!あの猫だって生きてるんだぞ?!」

「うっせぇなぁ;だったらとっとと着替えて行くぞ」


どう考えたら猫を見捨てるって発想に至るんだ!!


大和は本当に変わったよなぁ…ガキの頃はあんなに可愛くて優しかったのに…


今じゃ人の趣味にケチつけるような悪魔になっちゃって!


あーあージャスティス様にやられちゃえばいいのに〜
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