Novel
□ヒーローと悪魔
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「ネコネコ〜♪元気かぁ?腹減っただろー?牛乳とパン持って来たぞー♪」
「うわ、まじでいたのかよ;」
河原の隅の方にあるダンボールの中に昨日の捨て猫はいた。
牛乳パックを見せるとニャアニャアと元気よく鳴いた。可愛いなぁ♡よしよし、今あげるからな♡
「あ」
「何だよ?」
「皿忘れた」
「バカじゃねぇの?」
「いちいち人の事バカバカって…ふんだ!別にいいし!こうやって紙パックの上を開けて…」
上の方を開けて何とか中味が見えるようにしたけど、縦長だからちょっと飲みずらそうだ。
しょうがないよな!飲めなくはないし、これで我慢してもらおう!
「なぁ、そろそろ行かねえと遅刻するんだけど」
「まじで?!分かったよ。ネコネコ〜!名残惜しいけど、俺は勉学に励むぜぇ!また帰りに寄るからな♪」
最後にパンを開けてダンボールの中に入れてあげてからその場を立ち去った。
あー、カラスとかにつつかれたりしねぇかな?心配だなぁ
「そう言えばさ、類知ってたか?同じクラスのあっきーと王子が付き合ってるって話」
「ん?付き合ってるのは知らなかったけど、二人とも仲良いもんなー!へー、とうとうそういう仲になったかー」
「その反応って事は男同士に抵抗ないって事か…」
「は?そりゃうち男子校だし、いるだろ。そういうカップル。別に差別とかしねぇし」
「へー、ヒーローさまは心が広いんですねー」
「その通りさ!何事も受け入れなくては強くなれなのだよ!わっはっはー!」
「黙れアホ。補習に受かってから言えバカ」
「んなっ!お前またっっ…ん?!補習…?って何のだ?」
「オイオイ;この前のテストのだよ。赤点だった奴は今日の放課後再テストあるんだぜ?は、まさかまた深夜アニメ見てたとか?」
「嘘だろ?!そんなの聞いてねぇよ!やべぇまじやべぇ!勉強してねぇよ!」
「おー、さっき捨て猫に言ったセリフはどうしたー?」
「また赤点だった母ちゃんに小遣い減らされる!なぁ頼むよ大和!勉強教えてくれ!」
「それが人に頼む態度かよ?」
「っ!大和様、この馬鹿な俺にお勉強を教えて下さいませ」
「よく言えました♪いいぜー。とりあえず休み時間はテスト勉強すっからなー」
大和は人並みに勉強とか出来るしな!とりあえず赤点免れればいいや!