Novel
□ライバル
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「あのさ、柳原。この1週間ほぼ毎日じゃん。ベッド届くまで布団でも買って寝たら?」
「俺ベッドじゃないと眠れないんだよぉ〜。こんなに届くの遅いとは思ってなかったし?明日電話してまた聞いてみるからさぁ〜。ね?お願い♡」
「それだよっ!お前がベッド使うから俺がソファになるんだろうが!いい加減体痛いわ!」
「えー?だから一緒に寝ればいいじゃん♡ベッドで♡」
「アホか;もーいい。今日で最後だからな。明日からは知らないからな」
「春くんやっさし〜♡大好きっ♡」
「そういうのいらねぇからっ!」
抱きつかれそうになったから必死で避けると、ニコッと笑ってさっさと部屋の中へ入って行った。
柳原茜。女みたいな名前と女みたいな顔して、喋り方もどことなく女っぽい猫みたいな男。
黙ってればイケメンだが、喋るとアホ丸出しになる。
大学での柳原もこんな感じで、誰にでも平気でくっついて来たりじゃれて来たりする。
周りがそこまで嫌がらないのは柳原がイケメンだからだろう。
しかし俺はこの毎日の嫌がらせでうんざりしていた。
「そうだぁ、春くーん?今日は俺がソファで寝るよ〜」
「は?何言ってんだよ。だったら自分の部屋のソファで寝ろよ」
「えへへ♡俺の部屋、ソファないの♡」
「いちいちハートつけんな;」
「いやーでも隣の部屋が春くんで良かったよ〜。ほんと感謝〜」
欠伸をしながら俺のベッドに入っていく柳原。さっき今日はソファで寝るとか言ってなかったか?;
まぁいい。もうめんどくさいし俺も眠いとからさっさと寝てしまおう。
「春くんおやすみ〜♡」
答える事なくソファに寝転がる。
このソファだって広いわけじゃない。ロータイプで2人ぐらいは座れるけど、足は床に出して寝てる。正直寝た気がしない。
でもまぁこんな窮屈な生活も今日までだ。
そう考えて不満をしまい込む事にした。