Novel
□ライバル
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ピンポーン…
夜遅くに鳴るインターフォンの音。
相手はきっと隣の部屋の男だ。
もう寝ようと思ってたから出るか居留守を使うか迷ったけど、何度も鳴らされたので出ることにした。
ドアを開けるとニッコリ笑顔の男が立っていた。
やっぱり隣の部屋の男だった。
「ねぇねぇ泊めて♪」
「いや、部屋帰れよ」
「ベッドがまだ届かないの〜。お願い♡」
越してきたばかりの隣人のこの男はこうやってしょっちゅう泊まりに来る。
初めは可哀想だったから泊めてやってたけど、そろそろ不審に思えてきた。
そもそもベッド届くのにどんなけ時間かかってんだよ?
越して来たばかりとは言え、もう1週間は経つし、ベッドとかそういうのって引越しに合わせて用意しないか?
まだ同じ大学の同級生だと言うことで泊めてやる事は出来たが、限度ってものがある。
今日はちょっと厳しくしてみようと思う。