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□合図はキスで3
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とある休日の、昼下がりの頃。
暁を膝の間に入れ、その華奢な体に腕を回しながらテレビを観ていると…。
『うわぁ〜!とてもオシャレなお菓子たちですねぇ!流石は有名スイーツ店!!新作もとーっても美味しそうです…!!』
『うちはダックワーズに力を入れてるんでね。新作は特に気合いを入れてみました』
「……………」
「…暁?」
先程まで回った俺の手を摘まんだり握ったりして遊んでたのに、今は画面に釘付けになっている。
まさか…
「な、なぁ、暁。お前、このアナウンサーがタイプとか言わねぇだろうな…?」
「………」
は?と、顔で訴えられ、自分の心配が杞憂に終わったことにホッとする。
「別にこの人にデレデレしてたわけじゃないよ…てか、俺生まれたときからゲイだし」
何その名言。格好良すぎるだろ。
俺お前が初めてなんだけど。好きになったのも、突っ込んだのも。
とは言わずに心の中にしまっておき、不思議に思ってたことを尋ねた。
「そ、そうか…。それにしても珍しいな。お前がそんな食いつくなんて。そんなに甘いもの好きだったか?」
「そうかな…。甘いものは好きだけど、ただ…」
「ただ?」
「このダックワーズ、ってやつがどんなやつか気になっただけ。俺、食べたことないし」
「…ふーん」