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□#過去に傷
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「───やっ!!」
バッと布団を蹴り飛ばして、僕こと、淡瀬天-アワセテン-はベッドの上で飛び起きた。
「…はっ…ふっ……」
夢か現か定かではないが、大袈裟な程に上下している胸を見て、これが『夢』であったことが理解出来た。
「はっ………っ」
情けない。
もう過去であっていいはずの[あの日]は、今もなお僕の心を蝕み、縛り続けている。
─このままベッドの上で茫然としていたいのは山々だが、今日が高校の入学式であったことを思い出し、急いで─その実ゆっくりと─荒れたベッドを後にした。