みじかいの

□聖夜と詩人と鬼と
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「恋人達のクリスマスに別れを切り出すのか。面白いことをするな。」

「だろ?」


何でだろう、苦しい。


「だが、無理だろう?」

「なんで?」

「貴様はそんな顔をしているからな。」


訳が分からない。


「訳が分からない。そんな顔をしているが貴様、きちんと鏡を見たか?」

「…見てないけど。」

「はぁ、世話のかかる。別れたくない。そんな顔してるんだぞ。」

「…。」


そんな顔、してるのだろうか?


「俺から命令だ。クリスマスパーティーが終ったらあの詩人と仲直りをしろ。」

「!?」

「なんだ。素直になりたくはないのか?」

「なり…たい、けどさ。僕の誘いを受けてくれるだろうか。」

「あぁ。受けるだろうな。」


そんなもんだろうか。


「だから、あの詩人を誘っておけ。話をしておけ。」

「うん。わかった。ありがとう。魔王。」

「あぁ。」


そう言うと、魔王は居なくなった。


「あれ?何かすっきりした顔してますね。」

「あぁ。ありがとう、少し楽になった。」

「それなら良かったです。」


彼がそういうとドアのノックの音がした。


「すいません!お待たせしました!!」


桜が入ってきた。


「いえ、大丈夫ですよ。それでは、始めましょうか。」

「はい!」



本番は明日。
上手くいくといいのだけれど。
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