みじかいの
□バレンタイン
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甘い匂いで目が覚めた。
ああ、今日はバレンタインだったかと思い部屋のキッチンに向かうと桜が何やらゴソゴソと作っていた。
『桜、何してるの?』
「ご主人!おはようございます。」
『うん、おはよ。』
「ホットチョコを作ってるところなんですよ。」
『へぇ。…出来上がったら僕にも頂戴?』
「はいっ!」
元気よく笑う彼女を見て平和た日々が過ごせそうだと思った。
…僕も彼に作らないとなと思い服を着替え始める。
きっと何もしないと拗ねそうだし。
そんなところも好きなのだから、末期かもしれないなと思い心の中で自分を笑った。
彼は、何が食べたいのか。
甘い物は大丈夫だったか。
ああ、でもお酒が好きだからチョコレートボンボンを作るのもいいかもしれない。
なんて考えて身支度を整え終えると桜が僕にホットチョコを渡してくれた。
ありがとうと礼を言ってそれを受け取ると、桜がなにか思い出したかのようにゴソゴソと動いた。
どうしたのだろう?
「言うのを忘れてました!ご主人!!ハッピーバレンタイン!です!」
『うん、ハッピーバレンタイン。僕もなにか作ったら桜に持っていくよ。』
「本当ですか!?ありがとうございます!」
『うん、どういたしまして。』
桜は一番にこれを言いたかったらしく僕の部屋にいたらしい。
まぁ、桜らしいなと笑った。
彼女は用事があると言って僕の部屋を出ていった。
さて、彼のためにチョコレートボンボンを作ろうかな。