短編1

□好きかもから好き
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莉乃side
里英ちゃんはいつでも指原の味方でいてくれるね。

そんな里英ちゃんが好きかもから好きに変わったのはいつかな?

ああ、多分あのときからずっとだね
......................................................……………

指原は由依ちゃんと付き合っている。
「さしこおはよ」

「…由依ちゃんおはよ!由依ちゃん今日さ…

「あ、ごめん!今日は用事あって」

「あ、そっか…わかったよ、ごめんね?」

「こっちこそごめん!」
そうやっていいながら走り去っていく由依ちゃん。
由依ちゃんを目で追うと川栄に笑顔で話しかけて、
手を握って隣に座って微笑みあう2人。

…まただ。
ほんとに大胆だよね。
浮気するなら指原が見えないとこですればいいのに。

…ただただ辛かった。

でもそんなときは絶対
「りーのちゃん」

「あ、里英ちゃん…」

「莉乃ちゃんの隣座るー」

「あ、うん!いいよー」

里英ちゃんが来てくれるんだ、こうやって隣に
でもやっぱり気になるのは由依ちゃんの方で、

ずっと見てたら、人影の少ない隅に移動して
由依ちゃんから川栄にチューしようとした瞬間でウルウル涙でいっぱいの目の視界が真っ暗になった。

「…わっ、」

「莉乃ちゃん…大丈夫だよ大丈夫」
里英ちゃんは指原にあの2人のキスを見せないようにしてくれてたんだってそのさりげない優しさにキュンとして。

里英ちゃんにぎゅーって抱きついて顔を見たら真っ赤なりんごさんみたいになっててそれにもまたキュンとしてこっちまでにやけたんだ。

この日から里英ちゃんは指原が傷つくと決まって隣に来てくれて、もうあまり由依ちゃんのことは気にしなくなってきて、
その代わりに里英ちゃんへの気持ちがどんどん大きくなってって、好きになりそうだった。

でも。
そんなある日、トイレに行こうとしたら
自販機の陰で由依ちゃんと里英ちゃんが2人で話しているのを見た。

「里英ちゃん、さしこに手出しとる?」

「…っ、え?」

「…莉乃はうちのや!これ以上手出すな!」

「…笑わせないで」

「は?」

「莉乃ちゃんの気持ちも知らないで…莉乃ちゃんがどんな思いで今を生きてるか由依にわかるの?
川栄と関係持ってるくせに今更莉乃ちゃんの彼女ずらしないでよ!!それともなに?由依ちゃん由依ちゃん言ってた莉乃ちゃんが離れてくのが嫌?ふざけんな!」


「り、里英ちゃん…!!」
里英ちゃんがあんな怒ってるのを見るのは初めてで
涙目になりながら気付いたら声をかけていた。

「ゆっとくけど、川栄とは終わらせてきたんや。
あたしにはさしこしかおらんと。ほらさしこ…帰るよ」
指原の腕を引っ張って連れて行こうとする由依ちゃん。
思わずその手を振り払って里英ちゃんに抱きついた。

「っ、さしこ?」

「り、莉乃ちゃんっ」

「由依ちゃんごめん。
指原しかいないって言ってくれて嬉しかったよ。
…だけどね、ごめん指原好きな人ができたから。
指原と別れてください…」

「…っ、」由依ちゃんは何も言わずに去って行った。

「莉乃ちゃん。あのね」

「うん?」

「北原、莉乃ちゃんのことずっと前から由依ちゃんと付き合ってた頃からずっと好きだった、だから北原と付き合って?」

答えなんてもちろん一つ。「よろしくお願いします」

「あと怒鳴ってるとこ見せてごめん」

「いや!だって指原のためでしょ?嬉しかった。し、かっこよかったもん、」

顔が真っ赤になったりっちゃんは
指原に優しい優しいキスをくれました。

この日から。いや。多分もうずっと前から指原は里英ちゃんが好きだったんだと思う。

だってほらこんなに心臓がばくばくしてる。

end

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