夢小説(N長編)
□クランクアップ
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「カット!」
「二宮さん望月さん、オールアップです!!」
監督の声が響き、全ての撮影が終わったことを告げられる。
同時に、メイキング映像を撮っていたカメラやオールアップを待っていてくれた共演者さんが大きな花束を持って迎えてくれた。
カズくんと色違いの花束を抱え、さらに監督の分を受け取り二人で渡しに行く。
メイキングカメラの前を通るカズくんがしっかり表情を作りファンサービスをするのに付き合ったり。
乾杯のためのグラスも運ばれてきた。
すっかりチームとしてまとまった共演者とスタッフのみんな。
お祭りみたいな雰囲気に包まれると、数ヶ月に渡る撮影の日々が思い出されて、涙が出そうになる。
「もー。泣くなら打ち上げまで取っておいてよ」
カズくんが私の頭をぽんぽん、として慰めてくれる。
……と思ったら片手ではカメラを手招きしていた。カズくんらしい。