夢小説(N長編)

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「望月さん、何聞いてるんですか?」

フランスへの長いフライト中、持参した雑誌や文庫を読むのにも飽きて音楽プレーヤーで音楽を聴き始めると、同じく退屈していたメイクのあゆみちゃんが隣から尋ねた。

「嵐さんの新曲。映画の主題歌だから、発売前にサンプルもらえて。撮影中もよく聴いてたからそのまま持って来ちゃった」

私が言うと彼女は身を乗り出してきた。

「うらやましい〜〜!聴かせてもらえませんか?!」

「いいよ。日本に戻る頃には発売だけど。」

映画の雰囲気に合わせて作ってもらった、アップテンポで直球なラブソング。
歌い出しと大サビはもちろんカズくん。

「嵐さんぽい曲ですねー!聞いてると元気になる感じ!」


普通はそうだよね。
でも私は、嵐さんの声を聴いていると、先日の飲み会とカズくんの事ばかり考えてしまう。

大野さんが言うように、カズくんが心を開いて私を内側に入れようとしてくれているのが分かる。
撮影中はそれでも良かった。私たちは心を開きあってタッグを組み、最後には恋人になる二人を演じていたから。
でも、これから先の私たちはどうかな……。



あゆみちゃんはさっそくサビを口ずさんでいる。
「撮影のBGMにこの曲、使いましょうよ〜。みんなノリノリで仕事できそう!」
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