夢小説(N長編)
□真夜中
1ページ/4ページ
ソファーに座り、貸してもらったタオルケットを膝掛けにした。
お互いの仕事のことを考えたら、近付き過ぎないほうが絶対にいいと分かっているのに。
倒れたと聞いて思わずこんな格好のまま来てしまった。
「もぉ、どうしよう……」
タオルケットを口元まで引き上げると、カズくんの匂いがした。
“来て”と言われてすぐに向かい、“ここにいて”と言われれば帰らない。
カズくんのせいにしようとしても、それはもう、自分の選択で。
そしてもう一つ。同じマンションだと知った時、驚きの次に感じたのは、確かに嬉しさで。
自分の感情に気付いてしまう。
カズくんがしてくれるように、私も心の扉を開いてしまいたい。
カズくんがたまに差し出してくれる手に、気付かないフリをしていたけど、その手を取ってみたい。
でも、私の仕事を支えてくれるマネージャーや、カズくんと一緒にトップを目指している嵐のみんなの顔が頭に浮かんでしまう。
決して答えの出ない葛藤に頭を悩ませているうちに、眠気が襲ってきた。
カズくんの体調が落ち着くまで、少しだけ、ここで眠ってもいいかな……。