夢小説(N長編)

□演技
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CM撮影や雑誌のインタビューを終え、楽屋に戻る。
今日の仕事はこれで終わりだ。
外は夏真っ盛りということもあり、まだ明るい。
ドラマや映画の撮影がない今は比較的スケジュールに余裕がある。

こういう時間があるときくらい料理をしなければと思い、材料を買い込んで自宅に戻ると廊下の電気がついていた。
足元に視線を落とすと、男物の靴。

「あ、おかえり」

奥のリビングから満面の笑みで迎えてくれたのは、もちろんカズくん。

「どうしたの?」

自分の家にいるかのようにくつろいでいたカズくんは、私が持っていたスーパーの袋を受け取りキッチンへと運んでくれた。

「ん?この前借りてたスペアキーを返しに。」

数日前にオフが重なったとき、当たり前のように私の家で過ごし朝までゲームをしていたカズくん。
私の早朝ロケの出発時間にはもう夢の中だったので、仕方なくスペアキーと書き置きを残して仕事に出たのだった。
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