夢小説(N長編)

□フライング
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嵐の新アルバムが発売されて数日。
世間では、というか嵐ファンの間では、カズくんのソロが話題になっているらしい。
メイク担当のあゆみちゃんに聞かされて、心当たりのあり過ぎる私は細心の注意を払って会話を続けるしかなかった。


「ラブソングなんだけど、人によって解釈が違うんですよー。二宮さんから、ソロ曲については何か聞いてないんですか?」

「いや、聞いてないなー。私もまだアルバム聴いていないし……」


ソロ曲についてどころか、カズくんに「待ってる」と告げられた夜以来、私たちは顔を合わせていない。
たった数日だけれど、フランスから帰って来てからほとんど毎日のように何かと一緒に過ごしてきたから、仕事以外の時間を一人で過ごすことに違和感を感じている。

まして、あんなことがあったから。
気を抜くとすぐにカズくんのことを考えてしまう。


「もし機会があったら、二宮さん本人に聞いてくれません!?ネットにもいろんな解釈があって、気になっちゃって」

「教えてくれるか分からないけど。」

私は、もちろんまだソロ曲を聴いていない。
もうファンの間で話題になっているなんて、聴くのが怖いような気がしてきた。
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