夢小説(N長編A)
□翌朝
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早朝だというのにもう外は明るく、窓の下に広がる公園からは小鳥の声が聞こえる。
ゲームや曲作りに夢中になり何度も迎えた、いつもと変わりない朝だ。
ひとつ違うのは、ソファに座る俺の膝枕で眠る、柔らかく温かな感触。
規則正しく呼吸する背中を撫で、そのまま頬にかかった細い髪の毛をすくうと、安心しきった寝顔を見ることができた。
昨日の夜から俺は、顔がゆるみっぱなし。
優芽にも言われたし、もちろん自分でも自覚はある。
でも仕方ないじゃない。
気持ちを隠して駆け引きをして、そんな勝ち負けのあるゲームみたいな恋愛はもうやめたの。
ま、優芽には最初から負けっぱなしだったような気がするけどね。
俺には縁がないと思ってた、全開の愛情表現。
優芽が相手なら全く惜しくないんだから、不思議だよ。
優芽も、同じ気持ちなのかな?
俺の膝で無防備に眠る優芽の姿は、数日前には想像もできなかった。
これからもっと、新しい優芽を見せてくれたら。
大袈裟だけど、世界が新しくなった気さえする。