夢小説(N長編A)

□帰宅
2ページ/3ページ

いくつもの言い訳を頭に浮かべながらマンションの駐車場まで帰り着いた。

どちらの部屋へ帰ろうか、エレベーターの中で一瞬迷ってから優芽の部屋がある10階を目指す。


合鍵は持っているけど、なんとなく後ろめたい俺は珍しくインターホンを鳴らした。


「はーい」

程なくして、最愛の彼女の声が聞こえる。
そう、彼女。
俺の、彼女なの。


十数時間ぶりに聞く優芽の声に、さっきまでの気まずい思いは何処へやら。

にやけた頬を必死に制御しながら「俺でーす」なんてうつむきがちに言ってみた。



ああ、俺は帰ってきたんだなぁと。
当たり前なのにどこか懐かしい感覚は、一人暮らしも長くなってきたからだろうか。

それとも、俺の帰る場所をようやく手に入れたからかな。
そうだといいな。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ