夢小説(短編)
□小さな火(N長編番外編)
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「ねぇ相葉さーん!?早く入って!冷気が逃げる!」
ぼんやりと優芽ちゃんの浴衣姿を堪能していると、奥の部屋からニノが叫ぶ。
「あー。はいっスミマセン」
なんだか邪魔された気分になりながらも俺は靴を脱いで部屋に入る。
中には、浴衣を羽織ったニノ。
着替え中という優芽ちゃんの言葉通り、帯は締められていない。
「なんでまた二人して浴衣?」
問いかけると、ニノの帯を締めようと試行錯誤しながら優芽ちゃんが応える。
「今日、花火大会があるんです。撮影で使った浴衣を貸してもらえたから、一緒に行こうかって言ってて。」
ニコニコ言う優芽ちゃん。
なにそれ!完璧デートじゃん!
連絡もせず急に家に来てしまったことを後悔する。
しかし出不精なニノが浴衣まで着て、わざわざ人でごった返す花火大会にね……。
恋は人を変えるけど、まさかあのニノを変えちゃうなんて。
ニヤけた口元を隠せずにいると、ニノが一瞬俺を睨んだ。
「あの、浴衣もう一着あるんですけど、相葉さんも着ませんか?」