血の夢

□平穏はすぐに終わるもんで
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「やっば・・・もうすぐ12時じゃん・・・」
枕元の目覚ましは、寸分の狂いもなく11時58分を指していた。
今日は土曜日で、学校も部活もない。
夏だし?暑いし?あんまり外に出たくはないし?
「だからと言って寝すぎだな・・・うん」
もうちょっと寝ていたいけどそろそろ起きないとやばい気がするので、のそのそと起きる。
寝汗がひどいから、お風呂へ直行。
夏の寝起きって、体中がべたべたするんだよねえ・・・なんでだろ?
シャワーのノブをキュッとひねると温かいお湯が・・・・・・・・・出てこなかった。
「つめた!え?水?・・・給湯ついてないじゃん!」

時刻は変わって13時8分
私は今、パンツにブラだけという何ともだらしがない恰好で昼食を作っている。
え?なんでそんな格好かって?
暑いんだもん!仕方ないじゃん!
「ママレードー&シュガーソング♪」
杏奈がカラオケでよく歌う曲を歌いながら納豆を練混ぜる。
なんかアニメのEDらしいけどよく知らない・・・
でも、一日に3回も歌っているのを聞くと覚えもする
納豆ににみじん切りしたキムチをぶっこんで混ぜ合わせ、食パンに乗せる。
チーズものせて、トースターで焼く。
結構うまいんだよこれが。
パンが焼けるまでの間、ジュースでお腹を落ち着かせる

これが私の休日のスタイル、誰かに誘われたりしない限りこれは変わらない。
きっとこれからもそうだし、それを変えるつもりはない。
このまま大人になって、たぶん結婚して、子供は・・・まあ、うん。
おばあちゃんになったら、日向で編み物でもしてい過ごす。
それからきっと、あっさりと・・・本当にあっさりとあの世にいくんだ。
それが“当たり前”でこんな“平穏”がずっと続くと信じて疑わなかった。

スマホに電話がかかってきた。
名前を見ると杏奈だった。
オレンジジュースを飲みながら電話を取る


この時後悔することになるとは知らなかった・・・マジで
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