咥えタバコとハンケチ

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-「言い忘れてたけど、私の名前は荒野 風景。君は?」-
僕を人喰い虎から助けてくれて、なんと食べ物までも恵んでくれた荒野さんに出会ってから4日目……腹減って死ぬー…

孤児院を追い出されたときの言葉を思い出す、
"どこぞで野垂れ死んでしまえ!"

五月蝿い、僕は死なないぞー…
それに荒野さんと約束したんだ

-「まだ死ぬなよ、敦くん。
でも身売りは止した方が良い。連絡先渡すからさ、ごめんね、今は用事あるから無理だけど3日後、何も変化がなかったらコレに電話して」
「は、はいっ…!」-


貰ったのは携帯番号、考えたら僕が携帯なんか持って無いから連絡なんて出来ない。
いつか、また会えるように、御守りとして持っていよう。

そのためにも、まだ死ねない。

「決めた」
生きる為だ
次に通り掛かった者、そいつを襲い。
財布を奪う。



-「孤児院を追い出されたんだ?酷い話だねぇ……」
「はい……あの、こんなに食べちゃって大丈夫ですか?」
「勿論。あ、好きな食べ物無かった?」
「いや…好きなものばかりです!荒野さんは何故僕なんかを助けたんですか?」
「うーん、君くらいの子供がいてね。
なんか、無視はできなかったんだよ」
「結婚なさってるんですか?てっきり、僕と同じくらいか、と」
「あはは、結婚はしてないし、血は繋がって無いよ」-
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