咥えタバコとハンケチ
□01
2ページ/2ページ
中島 敦、能力名 月下獣。
「どうしようか…このまま死なせるワケにはいけないしな」
橋の下で出会った少年、最初から最後まで気の良い青年だった、自分が人虎だとは気づいていないようだったが。
噂では懸賞金も馬鹿でかいらしい、このままでは捕まるのも時間の問題だろう。
下手に手を出したら内外から睨まれる、それに俺が拾えば更に大事になることはわかっていたから、すぐ助けることはしなかった。
「アイツ(ポートマフィア)らだけならまだしも…外からも…武装探偵社の奴らは何やってんだか。俺1人では難しい……」
彼等に預けることが一番良いと思う。
別にアイツ(ポートマフィア)らの中にも腐ってない奴だっているから良いんだが、お人好しっぽいから探偵社の方が馴染めるだろう。
「ヒント、出さないと」
事務所にはどうしても行きたくない。
でも、能力でもなんでも使ってなんとかして話さなければ。
おや、あそこにいるのは
「国木田……」
大方、太宰を探しているのだろう。
苦労しているなぁ。
世話好き、お人好し、苦労人、しっかりしている、でも少し抜けてるから能力に気づくこともないだろう。
「……彼でいいか」
-『少しお時間いただけますか…?
武装探偵社の方ですよね、先程……』-