キミといると温かいのがしあわせvv

□なんのことかな?
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今日は暦の上では“立冬”ですよと、
朝のモーニングショーで天気予報士のお兄さんがおっしゃっていて。
昨日なぞ昼間のうちは陽射しがあって暖かでしたが、
今日は少しほどその気温も下がりますし、
明後日辺りに降る雨の後はぐぐんと冷え込みますとのこと。
屋外ブースにも時折冷たい風が吹き付けるようで、

「うわぁ、いよいよの冬到来なんだねぇ。」

イエスがしょっぱそうなお顔になり、
ぬっくぬくのこたつ布団に中へ骨ばった手を突っ込んでいる。
朝晩はさすがに冷えてきたので、
今日も出したそのまま弱稼働させているこたつで、

 “早い目に使い始めてたけど、結果それでよかったなぁ。”

ブッダも、自分のためはともかく寒がりのイエスが困らなくてよかったと、
白い手を添えたふくよかなお胸を撫で下ろしておいで。
というのも、松田さんから“暖房器具は猪の日に使い始めなきゃねぇ”と言われ、
先週のはじめ、十一月一日にスイッチを入れたのであり。
猪というのは正確には“亥”といって、
日本では昔から“亥の月亥の日が暖房器具の使い始めの日”とされているそうな。
今年は旧暦の10月がほぼほぼ11月とかぶっているそうなので、
月の方では問題もなく。
日にちでは、1日を逃すと次は13日まで待つこととなるので、
当日はまだまだ温かい方だったが
それならばと急かされるようにスィッチを入れたところ、
そしたら翌日ぐぐんと寒くなったので、
よかった言い伝えに従っていてと、
思わずひざまずいて天に向かって手を合わせてしまったのは
色んな意味から各方面に内緒だが。(う〜ん)
ちなみに、なんで 亥の月亥の日を、
暖房器具の使い始めの日とするのかというと、
暖房器具と言えば 昔は囲炉裏にせよあんかにせよコタツにせよ
炭や薪といった燃料を用い、そのまま直火を使うものが多く、
火事につながる危険性も高かった。
そこでその“火”を制御するものとして信奉されたのが、干支で言えば“亥”だそうで。
十二支における「亥」は、五行説では「水気」、陰陽説では「陰気」。
水は火に打ち克つ力であり、陰気は猛々しさの無い穏やかな力。
「亥」には火の力を穏やかに押さえ、制御する働きがあるとされ、
そのため亥の日や、猪(=亥)には
火事除け、火塞ぎの霊力があると考えられるようになったそうです。

「わあ、なんか華やかだ。」

そんなこんなと解説しているうちにも
テレビの方では話題も次へと移っており、
有名ダンスユニットのイケメンたちによる
某チョコ菓子をシェアしようというキャンペーン中のイベントの模様が取材されていて。
特徴のあるビートの利いた曲は
伸ばした指先をシャキーンと揃えて決めるシャープな振り付けと相まってカッコよく。
子供が真似したり友達と踊ったりするシーンが多数動画投稿されているほどに馴染みも深い。

【ホントは11月11日なんですが、当日は金曜なので昨日イベントがあったそうですね。】

ハロウィンも前倒しにするような国だし、特に問題はないのだろう。
むしろ、翌日の12日にイベントを立ち上げても白けるばかりかも…と、
スタジオにいたアナウンサーの方々が沸いている。

「お菓子の日のイベントでこうまで盛り上がっちゃうんだねぇ。」

何とも平和だねぇという感触の下、
最聖のお二人もほこほこと笑うほど暢気な話題であったれど、

【私はポッ◯ーと言えば、ポッ◯ーゲームを思い出しますねぇ。】

盛り上げ担当の男性アナウンサーがお道化て言い、
途端に妙齢の女子アナが “◯◯さんたら や〜だ〜vv”と沸いている。
スタジオに詰めているスタッフ一同も沸いたようで、わははという笑い声が広がったが、

 「…ぽっきーげーむ?」

テレビの前のよいこな二人、もとえ、最聖のお二人には、
何のことやら判らなかったのも まま仕方がなくて。
え?え?と困惑している間にも、
テレビ画面の中では訳知り顔の皆さんがとっとと話を次へと移してしまい、
来日中の有名歌手のライブ映像が映し出されていたが。
お茶の間の開祖二人のほうは
それこそそれどころじゃあない。

「何だろ、ぽっきーげーむって。」
「日本じゃメジャーな遊びみたいだね。」

じゃんけんで出した形の名前で数歩ずつ進む遊びにも グリ◯って出てくるくらいだし、
日本の宣伝手法ってなかなか侮れないね。
梵天さんが研究してそう、でも彼に訊く気はないからね…と。
いやまあ、そんな文言は飛び交わなかったものの、(笑)
今時の遊びでないせいか、こちらのお二人はとんとご存知なかったらしく。
皆さんはご存知の通り ちょっと大人のパーティーゲームだったりするので、
アナウンサーの皆様も話を広げなかっただけのこと。
なのに、そこへも気づかなかったものだから、
何だろ何だろと純粋な好奇心から気になってしまったようであり。

「あれかな、手持ちぽっきーを3本とか決めといて、
 後ろ手に隠した中から何本かずつを前へ突き出して、
 合計何本って当て合うゲームとか。」

箸拳の亜流ヴァージョンですね。

「それか、サインボールを立てる櫓みたいのを
 ぽっきーで制限時間内に何組み立てられるか競うとか。」

焦って折りまくりませんかね、手も汚れそうだし。

「じゃあじゃあ、いろんな種類のを1つの箱へ混ぜて差し入れて、
 引いたのを指名されたら王様が言ったとおりにしなきゃいけないとか。」

おおう、王様ゲームだと雰囲気的には微妙に近いかも…vv
ああでもないこうでもないと、わいわいと楽しく検討中のお二人だけれど、
どうか知り合い辺りに迂闊には訊かないで
なんて思ってしまった、場外の誰かでございます。





   〜Fine〜  16.11.07






 *あまりに短い“なし崩しエピソード”でしたが、
  拍手お礼にするには日にちが限定だったので、
  ちょっとでも引き延ばそうという姑息な思いから
  頑張って“亥の月亥の日”の話まで引っ張って来ました。(苦笑)
  もーりんとしては、
  ネットで調べて真相を知り、
  わぁ…と赤くなって もじもじしてくれたらいいと思いますvv



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