キミといると温かいのがしあわせvv

□あっという間に
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今年もまた記録的な酷暑というやつが早々と押し寄せて、
何とも大荒れだった夏であり。
字づら的には ここ数年お馴染みな言いようだが、
テレビでは連日のように“熱中症に用心を”というテロップを流しまくり、
水分補給、塩分補給を忘れずに、不要不急の外出は避けましょうと、
冗談抜きに災害級の炎暑なんだよと
気象庁を筆頭に政府の関係筋もそれは盛んに呼びかけ続けた。
それでも脱水症状に襲われ、倒れては救急車で運ばれる人が後を絶たず。
100回記念を数えたこともあって、どうしても開催しなければという感の強かった
高校生の真夏の祭典、硬式野球の全国大会も、
試合数やら延長となった折の新たな取り決めを作って恐る恐るに開催されたほど。

そんなほどだったから、観測史上最高気温とやらもあっさりと弾き出され、
40度以上という途轍もないはずな数値自体、
各所で何日も何回も目にしたものだから。
途轍もない猛暑日のはずな35度にやや足りない 33度、32度という数字を
“ややや、少しは涼しいのかな?”なんて感じるようになってた、
何とも奇天烈な夏だったものが。
その半ば、8月の頭あたりからは、今度は台風やら大雨やらに翻弄され、
土砂災害や断水・停電に見舞われて、
結局ペットボトルの水にお世話になりまくった区域の方も多かろう。

気が付きゃ9月になってたねぇ、という感慨の中、
週末にばかりやって来た台風は、空の便へも影響を及ぼしまくり。
秋もまた、すとんと涼しくなったかと思いきや、
台風の狭間狭間にフェーン現象とやらで気温が上昇。
ストール出したのに、ライトダウン買ったのに、
またぞろ半袖の世話にならなきゃいけなくなって。
何だこれ、こんな気温だったっけ?今時分ってと、
混乱に混乱を重ね、今やっと一応の“平年並み”状態に落ち着いてはいるのだけれど。
戦争こそ起きなんだが、それでも経済面では十分混乱多かりしだった、
そんな平成という時代 最後の年は、
十分、記憶にも記録にも残りそうな一年となりそうで。


 「もしかして、
  雨や風の神々が終末の予行演習でもしているのだろうか。」

週末、もとえ 終末後の世界を任される、次代の神としては、
今の今 在位している父上のやることには口出しも出来ない身。
なので、そういう大いなる計画の一端だとしても、
前もって聞いてない上に、ちょっとは加減してなんて意見も出来ぬ。
そこまで本格的な代物じゃあないならならで、
バカンスにと地上に居る息子への、サプライスっぽい試練だろうか。
どっちにしたって何も知らない罪なき人々へは不要な災禍、
側杖というかとばっちりというかじゃあなかろうかと思うわけで。

 「う〜〜〜ん。」
 「…イエス、
  キミも何でもかんでも自分に関わる代物かと思うのは
  よしたほうがいいのでは?」

本格的に悩み始めたか、
朝食の目玉焼きの上で迷い箸しているような按配のまま、
ううんと唸り始めた神の子へ、
釈迦牟尼さまが困った人だなぁと苦笑をこぼす。
そういう自分だって、
私への苦行かとやや喜々としながらも (おいおい)
周辺の衆生の皆様には巻き添え食わせて申し訳ないとばかり
ややこしい煩悶に悶々としていた時期があったくせにと、
即妙に言い返されるかと思いきや、

 「だってさ、
  今週末は暑いのがひくのを待って待って延長になってた
  愛子ちゃんとこの運動会だし。」

 「それはそうだけど…。」

猛暑の中で開催しては倒れる子が出ようからと延期され、
その次は台風が来そうだと延期され…と、
万全を期すために慎重に構えた学校側の心遣いが極端すぎて、
気が付きゃ遠足の芋ほりが追い抜きの、
11月も目前という時期にまでずれ込んだ“運動会”だったりして。

 「お芋ほりが追い抜いちゃったのは、
  運動会ほど準備が要らない団体行事だったから
  優先されちゃったまでだったらしいけれど。」

あと、菜園の方への予約の関係とかお芋の成長具合とかと、
行きつけのスーパーで顔を合わせた静子さんからお話を聞いた折は、
PTAの皆様がそうだったように
お気の毒と思いながらもちょっとだけ苦笑が洩れちゃったもので。
それはともかくも、
今の今、イエスが仰々しくも思い悩んで見せたのは、
ちょっと間が空いたので油断していた感のある今、
またしても台風が発生し、北上中というニュースをテレビで見たからに他ならず。
子供らが楽しみにしていよう催しがまたぞろ延期になっては今度こそ洒落にならぬと、
それはそれは真剣に憂いている彼らしく。
いくらなんでもこの期に及んでそんなことはなかろうにという苦笑が
まずはこぼれたブッダだが、
イエスにおいては、その子供のような純真さから有り得ることと把握され、
案じられているという順序も判るだけに、

 “もうもう困った人なんだから。”

万物への無限無償な愛という“アガペー”をこそ御心にあふれさせている存在だとはいえ、
その反動かそれとも逆行か、
ご本人までもが子供のようなものを好きだったりするところもあって。
万物普遍の愛とは別口、
好きなものは好きだと言えちゃう、どっかの流行歌のようなお人でもあって。

 「〜〜〜〜〜。//////////」

あーだこーだ、何だかんだと胸の内にて数え上げているうちに、
何だか…自分がどれほど彼を知っており、どれほど好きかを数え上げてて、
そうやって証明するべく あれこれ爪繰っているよなものだと気が付いてしまい。

  「?? ブッダ、どうしたの?」

何か赤くなってるよと、逆に案じられ、

 「な、ななな、なんでもないよっ。/////////」

心配しないでと苦笑いをし、それさえ案じられないかと思ってだろう、
大慌てでご飯にぱくついた如来様だったりするのである。


   今日も立川は平和です、うんうん。




   〜Fine〜  18.10.24








 *五体投地しなきゃいかんほどにご無沙汰です。
  夏休みの宿題をまとめてやっつけてる感のある枕(出だし)ですいません。
  何かあっという間にもうハロウィン間近で、
  ほぼ一年もこちらには手を出さぬままでしたね、すみません。
  コミックスも出ていて、
  いっときちょっと絵が荒かった気がしたのが、
  精緻なものへ戻ってて、
  やっぱ面白い〜♪とすっかりと読専になっとります。



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