おそ松短編

□予想外
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コンビニへ行く途中、家の近くにある公園を通ると、そこには元気よく素振りをする十四松の姿があった。

松野十四松。

異常に元気な異常なバカ。

朝から晩までやかましくて、いつもニコニコしている。

はじめて会った時はドン引きしたし、突然の奇行にも戸惑った。

とにかく彼はとんでもない変わり者なのだ。

けれど、そんな彼に惚れてしまった私はそれを上回る変わり者だろう。


「十四松〜、」


名前を呼べば気がついてすぐに変な走り方で駆け寄ってきた。


「また素振り?」
「うん‼一緒にやる⁉どこ行くの⁉」
「やらないかな、ちょっとコンビニ…ってアンタ寒くないの⁉」


今は12月半ばなのにも関わらず、十四松はジャケットも何も羽織ってない。


「全然っ‼あっつい‼」
「そりゃ今は素振りしてたから…」


よく見たら汗もかいてるし、いくら風邪にご縁のない十四松でもこれは…


「これ貸してあげる」
「まじ⁉」


自分が身につけていたマフラーを解いて十四松に巻いてやった。


「ありがとう!あったけぇえ‼」


ニパァって笑う十四松を見て、心臓が高鳴る。


「か、風邪ひいたら野球出来なくなるからね」
「うん‼野球めっちゃ好き‼だから出来なくなるのはやだ‼」


本当に野球好きなんだなぁ。


「私も野球してる十四松が大好きだから風邪ひかないでほしいな」


バタバタと忙しなく動いていた十四松の手足がピタッと止まった。


「⁇どうしたの…」


急に真っ赤になった十四松の頬。それを見た私も顔が熱くなった。


「俺も、すき」
「ふぁっ⁉」
「ねぇ同じ気持ちかな⁉」
「……」
「どしたの⁇」
「ちょっと待って…ね…」
「え⁇⁇」



予想外


(こんな展開、アリですか⁉)

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