短編1
□不意打ち
1ページ/1ページ
「隙だらけだぞ‼︎」
「はいっ…」
「何処を見ている⁉︎ちゃんと相手の動きを見極めろ‼︎」
「はいっ‼︎」
ネジは休みの日、いつも私の稽古に付き合ってくれるけど、とても厳しい。だからネジとの稽古の後は身体中、打ち身になる。これがかなり辛い。
「柔拳っ‼︎」
「いだぁっ‼︎‼︎」
ネジの柔拳に弾かれ、私は思い切り尻餅をついた。
「…まだまだ甘いな」
「うぅ、厳しい」
「当たり前だ」
「いてて…もうちょい優しくしてよね」
ネジは急に座り込んでいる私の目の前にしゃがみ込み、じっと顔を見つめてきた。
「ん?なに…」
何事かと思ったらネジは私の前髪を掻き上げ、おでこにキスした。
「ふぁっ⁉︎」
「情けない声だな、」
「なななに今の‼︎」
顔があつい。てか、キスされたとこがあつくなってきてる。
「優しくしろって言っただろう」
「言いましたけども‼︎なんで⁉︎」
「たまには、な」
「〜っっ」
不意打ち
(反則だよ…普段厳しいくせに‼︎)