気紛れ駄文

□堕天の刻《第二章》
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無事に書類も引継ぎ、僕は読みかけの本を書類の代わりに脇に抱え、ある場所を目指した。


他の天使は滅多に拠らない程の天界の端っこ―――常に無数の花の咲き乱れる僕だけの秘密の場所。

その秘密の場所でのんびりと本を読んだり、軽く昼寝をするのが僕の日課になっていた。


………あそこなら、僕の容姿に対して何か言ってくる人もいないから。


白髪と紅眼。


それは多種多様な容姿のいる天使の中でも、群を抜いて異様に映った。


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