鳥居の先は……

□一話
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〉一月前ーー





私はその日、ある神社に友人と縁結びに来ていた。



「さて、お参りもすませたし帰りますか」



「うん」



そんな他愛ない会話をしながら鳥居をくぐった瞬間、そこは見知らぬ森の中だった。



「ここ……何処?」



辺りを見回してもある筈の鳥居も、見知ったアスファルトもない。
さて、どうしたものかな……。そう思案していた私の前に突然現れたのが喋る狐。



「もしや、あなた様は審神者と成りえる方では御座いませぬか?」



狐ーーこんのすけにより、審神者になり刀剣男子達の主となったのだった。

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あの時は焦ったし、どうなるかと思ったけど、案外なんとかなるもんだね。



「この本丸も賑やかになってきたなぁ……」



審神者になった事は後悔はしてない。
けど、一つ気がかりな事があった。それは、一緒にいた友人の事だ。



「無事ならいいけど……」



こんのすけ曰く、審神者に選ばれなければ元の世界で普通に生活しているらしいのだが……。
私の友人は如何せん生活能力がない。




「心配したところで無駄なんだけどね…まぁ、なんとかなってる事を祈りますか。
さてと、今日も一日頑張りますかね!」





悩みを抱えつつも今日もまた、本丸での一日がはじまる。


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