平凡が一番

□プロローグ
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目を覚ますとそこには美しい夜景が広がっていた。



「えっ?なんで⁉」



明らかに自分の部屋じゃない事がわかったうちは、夜景の明かりを頼りに辺りを見回した。
ベッドに机に本棚ーーここが誰かの部屋だと言うことがわかった。



「これーー」



机の上には一台のノートパソコン。
無断で他人のPCを弄るのは罪悪感があったけど、手掛かりになると思いPCを開いた。



「えっ…、嘘!」



PCの画面にはさっきまでうちがやっていたチャットが表示されていた。
ただ違うのは、相手が自分の使っていたハンドルネームの“ナマケモノ”になっている事。



「嘘だ…、なんでうちが“ナイトメア”になってーー」






ナマケモノ:成功したみたいね、今日から貴女が“ナイトメア”よ。
貴女が言ったのよ?“お互いの人生を交換出来たらいいな”って。






「あれ本気だったの⁉」



確かにうちは言った、でもそれは現実には無理なことで、冗談で言っただけだったのに。
文句を言おうとPCに触れたところで新に書き込まれた言葉に、うちは全てを諦めた。





ナマケモノ:撤回は出来ないわよ?貴女も私も、もう元には戻れないのだから…





「覆水盆に返らずーーって事か…」



この日、”うち”の人生は終り、新に“私”の人生が始まった。











(悩んでも始まんないし…寝よ)



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