平凡が一番

□予想外の出会い
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〉2年後ーー





「2年って早いなぁ」



情報収集に体術、変装術、銃の扱い(主に狙撃)の習得…、特に体術の習得は予想以上に大変だった。
習い始めてすぐは身体中が痣だらけになったり、兎に角怪我が絶えなかった。
まぁ、そのかいあて、その辺のヤツには負けないだけの力は手に入れられたんだけど。
変装術と銃の扱いは思ってたより簡単に覚えられた。
体術を習得する傍ら、組織の情報収集もやってたんだけど、情報収集をするにつれて私は“ジョーカー”と呼ばれる様になっていった。
何故、ジョーカーなんて呼ばれる様になったかは知らないし興味もない。
興味はなかったけど、“利用出来るものは利用する”それが私。
ジョーカーと呼ばれる様になった事を利用して、私は情報屋を始めたーーと、言っても気まぐれで、自分の嫌な依頼は受けないし依頼人を気に入らなければ受けない。
因みに、情報収集は人工知能を持ったAIを使ってやってるから楽だったりする。
途中、予想外の事もあったけどなんとかここまでこれた。



「準備は整ったーー後は時を待つだけ」



でも、これで本当に彼を助けれるかな?
組織の事を調べれば調べるほどそんな不安が大きくなっていく。
私が元から持っていた情報と新に調べた情報を総合しても、奴等のボスまではたどり着けてない。



「はぁ…、ちょっと外に出よ」



外の空気を吸えば、少しは気が紛れるかもしれないーーそう思って外に出た。









「何がどうしてこうなった⁉」



今私は、ウイスキー3人組(バーボン、スコッチ、ライ)と追いかけっこの真っ最中。
息抜きに外に出て、駅まで行くとそこで彼らを見つけた。
今は関わらないようにしよう、そう思って駅を出ると、何故か彼らが私の後ろにいた。
始めは進行方向が同じだけかとも思ったけど、違った。
“明らかにつけられている”そう確信してからの行動は1つ、私は角を曲がった瞬間、全力で駆け出した。



「‼待て!」



後ろからそんな声が聞こえてきたけど、待てと言われて待つ奴はいない。
しかも、訳もわからずつけて来て挙げ句、私が逃げたら待てとかそんなこと言われても困る。
向こうは3人、挟み撃ちを狙って来るだろう事は予想がつく。
さて、どうやって逃げきろうか?あの3人を相手に逃げ切れるか疑問だけど、今は彼らと関わりたくはない以上逃げ切るしかないのだが、そもそも何故、彼らに私は追いかけられているのかが分からない。
まさか、ジョーカーだってバレた?いや、それは多分無い。
関わりたくない一心で私は逃げているのだが、もしかして逃げる必要ない?
何か聞かれても知らぬ存ぜぬを通せば良いわけだし…。



「あ…」



そんな事を考えながら走っていたせいか、気が付くと目の前にはライが、後ろにはバーボンとスコッチがいて見事に捕まった。



「…ゲームオーバーか」



さて、何を聞かれるのやら。
FBIに公安二人を相手に何処までシラを切り通せるかな。
段々と距離を詰めてくる3人に、これ以上の面倒に巻き込まれない様に願いながら顔を上げた。


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