平凡が一番

□予想外の出会い
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顔を上げて最初に目にはいったのはグリーンの目と整った顔ーーのドアップ。



「っ!?(赤井秀一!)」



「性別は女の様だな」



「は?」



“性別は女の様だな?”つまり、この男は私の性別がどっちか判断出来なかったってことか⁉



「………」



女に見えなくて悪かったな!どうせ私は女に見えませんよ!スカートよりパンツ派だし、よく男と間違えられるし、酷い時は女の人から告白されるよ!女らしくなくて悪かったな!



「ライ…、それは流石に酷いぞ」



「全く、性別ぐらい簡単にわかるだろ」



「男3人相手に逃げきれる“普通の”女はいないだろ」



逃げきってないし!“普通の”って何!普通じゃなくて悪かったな!
てか、ギター+ライフル背負ってあんだけ走れるお前らの方が普通じゃないから!
おい、何が「確かに」だ!頷くなバーボン、スコッチ!さっきから失礼だこの3人…。



「…正体バラすぞ」



「「「!!」」」



ついボソッと出てしまった言葉に、さっきまで私そっち除けで言い合いをしていた3人が一斉に此方を向いた。



「あ、あはは…」



言っちゃったよ…。
うわぁ…3人とも顔が無表情で恐!“なんで知ってる!”って聞きたいんだろうなぁ…笑って誤魔化されてーーくれるわけ無いよね……よし、逃げよう!



「さよなら!」



言うが早いか私は駆け出した。
幸い、彼らに囲まれてなかったお陰で逃げ出すことができた。
今度は捕まらない様に全力で走った。
走って走って走って、必死に走ってセーフハウスの1つに逃げ込んだ。



「はぁ、はぁ…なんとか、逃げきれーーげ、嘘⁉」



逃げるのに必死だった私は気づかなかったーー服に発信器が付けられていたことに。



「最悪…」



発信器がつけられてるって事は、この場所はバレてるよね…。



「はぁ…、恐るべし赤井秀一」



発信器を付けられたのは多分、追いつめられた時。
つまり、赤井秀一は私が初めから怪しいと踏んで、逃げられた時の保険をかけていたと言うことになる。



「流石シルバーブレッドってか?
まぁいいや、他にもセーフハウスはあるし、どのみち私の所はまでは辿り着けないだろうしね…」



でも、ここまでしてくれたお礼はしとかないとね。











(hello vermouth)


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