狙撃ポイントで待つこと1時間、間違えたかと思い始めた時、彼らは現れた。
「正解か…」
ライフルを構えて、スコープを覗きながら狙撃の瞬間を待つ。
スコッチは、ライを投げるのと同時に彼から銃を奪う。
「…そろそろかな」
奪った銃を自分の胸に向け、引鉄を引こうとするスコッチ。
けど、ライにリボルバーのシリンダーを捕まれてそれは一旦阻止される。
「タイミングが重要…」
ライの視線が銃からそれる一瞬、その一瞬に合わせてライフルの引鉄をひいた。
銃弾は狙い通りスコッチが構えていた銃に当たり、そのまま銃を弾き飛ばした。
「ふぅ…これで一応、自決回避かな。
後は、スコッチのスマホにメールを送って……」
to:スコッチ
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時間稼ぎはしておいた。
タイムリミットは1日、貴方は奴等から逃げ切れるかな?
「これでよし!」
後は、あの3人次第。
公安だけだったら、日本には証人保護プログラムは無いから辛いかもだけど、FBIがいるならまぁ、面倒な事にはなるけど何とかなるでしょ。
「さて、帰るかな」
バッグにライフルをしまいながらふと思った。
「…もう一回、見てみようかな……」
何故かそう思った。
ライフルからスコープを外して望遠鏡代りにして、覗いた。
「ーー⁉」
スコープ越しに、此方を見ていたライと目が合った。
「いや…、流石に有り得ないって」
此処から3人がいる場所まで1200ヤードある。
そんな場所にいる相手と目が合うなんて有り得ない。
偶然だ、そう思ってもう一度スコープを覗くと、もうそこには誰もいなかった。
「……やっぱり、偶然だよね」
(………)
(ライ!何ボケッとしている!)
(…彼女が気になるのか?)
(いや、今は時間がない行こう)