スコッチの命を助ける事には成功した。
けど、彼はこれから表だって動く事は出来ない。
何故なら彼はあの後、ライの協力のもと証人保護プログラムを受け入れ、事実上スコッチ自身は死んだ事になったからだ。
その事実を、私は今朝のニュースで改めて知ることになった。
『今日未明、身元不明の男性の遺体が発見されましたーー』
テレビ画面にはハッキリとスコッチだった彼の写真が映し出されている。
“身元不明”とされているのは、おそらく公安上層部からの圧力が働いてるから。
その証拠に、身元不明と言いながら情報提供を呼び掛けは愚か、身元の特定もしてない。
「………」
ニュースを見ながら私は自分のした事の大きさを感じた。
「本当にーー」
これで良かったのかな?
このニュースを見た、家族、そして何も知らない彼の関係者はどう思うんだろ?
「………分かってたんだけどな…」
あの場合、彼を助けるにはこうするしかなかったのはわかってる。
でも、もっといい方法があったんじゃないかーーそう思わずにはいられない自分がいる。
「…結構きついな」
自分がやるって決めてやった事なのに、後悔しないためにやった事なのにーー…
なんでこんなにモヤモヤするんだろ?
「…………だぁぁぁ!やめだやめ!」
考えたって、やってしまった事を今さら元には戻せない。
なら考えたって意味はない。
でも、部屋に何もせずに籠ってると考えないようにしても考えちゃう。
「よし!旅に出よう!」
行きたい国もあるし、久々に海外に行ってみるのもいいかな。
「善は急げだ!チケット取って準備しないと」