旅に出て数ヶ月、私はニューヨークに来ていた。
「あんまり変わってないなぁ」
ホテルに荷物を置いた後、ニューヨークの街をブラブラ歩いていると見覚えのある顔を見つけた。
赤井秀一だ。一緒にいるのは、顔は分からないがFBIのジャケットを着た人物。
今、彼はまだ組織に潜入中の筈……そんな彼が何故かFBIの仲間と一緒にいる。
それも、堂々としていて隠している様子もない。
「なんで?」
いつの間に組織にフラれたの⁉
確かに年は跨いだけど、早くない⁉何、もしかして、スコッチの事が起きてすぐ抜けたの‼
なんで!だって、原作だとバーボンとの確執が出来てそれからだった筈ーー
「時差が起きてる?」
もしくは、スコッチを助けた事で何等かの歪みが発生して、話が変わり始めてる可能性がある。
「……とりあえず、ホテルに戻って確かめるかな」
確かめもしない内に動いてもろくなことにならないからね。
そう思って、来た道を戻ろうと踵を返すと前を見ていなかったせいか、誰かにぶつかった。
「っ!すいまーー」
「偶然とは言え、また会えて良かったよ。
久しぶりだな、ジョーカー」
「……赤井、秀一」
(今まで前に居たよね!?まさか、瞬間移動!?)