車に乗せられ連れてこられた場所で、意外なーーいや、そうでもないかもしれない人物と再会した。
「ちゃんと話すのは初めてだよな。
俺はスコッ―――」
「“諸伏 景光”だろ」
「やっぱりバレてたか」
特に驚いた様子のないスコッチ。
ノックリストにアクセスしたのがバレたとは思えないが。
「数日前、ノックリストが何者かにハッキングされた。
痕跡は残されておらず追跡不能」
「痕跡がないのにどうしてハッキングされたとわかる?」
「カンだよ」
わかってはいたが、教える気はないらしい。
「……そう言うことにしておく。
それで?私をここに連れてきた理由はなんだ」
だいたい予想はつくがーー
「率直に聞く、君は敵か味方どっちだ」
「…………」
敵か味方かーー笑えるな。
「私は“ジョーカー”だ」
使う人間しだいで白にも黒になる。
「そんな事より、手を貸せ。
宮野明美を助ける」
妹の方は今は無理だが、いずれ自力で組織から逃げ出してくる。
その時にでも助ければいい。
念のため、保険を用意しておけば充分だ。
それよりも問題は姉の方だ。
予定がずれたせいで準備が不十分になった。
不十分になった分を埋めるなら、この二人で十分だ。
「断ったってもらってもかまわないが、その場合、彼女は死ぬことになる」
「何故、彼女が死ぬとわかる」
「お前たちが潜入していた組織はそうゆう組織だ。
裏切り者には死を―――そう考えているヤツがいる」
「ジン」
「正解だ。
それでは返答を聞こうか」
まぁ、答えがどちらでもかまわないが…。
私1人でやるより3人の方が助けられる確率が上がるとゆうだけで、私の行動は変わらない。
「わかった、手を貸そう」
「俺もかまわない」
「決まりだな」
(ところで、どうやって助けるんだ?)
(私を誰だと思っている、組織がどう動くかは調べればすぐだ)
((……))