平凡が一番

□手を貸してもらおう
1ページ/1ページ

車に乗せられ連れてこられた場所で、意外なーーいや、そうでもないかもしれない人物と再会した。


「ちゃんと話すのは初めてだよな。
俺はスコッ―――」


「“諸伏 景光”だろ」


「やっぱりバレてたか」


特に驚いた様子のないスコッチ。
ノックリストにアクセスしたのがバレたとは思えないが。


「数日前、ノックリストが何者かにハッキングされた。
痕跡は残されておらず追跡不能」


「痕跡がないのにどうしてハッキングされたとわかる?」


「カンだよ」


わかってはいたが、教える気はないらしい。


「……そう言うことにしておく。
それで?私をここに連れてきた理由はなんだ」


だいたい予想はつくがーー


「率直に聞く、君は敵か味方どっちだ」


「…………」


敵か味方かーー笑えるな。


「私は“ジョーカー”だ」


使う人間しだいで白にも黒になる。


「そんな事より、手を貸せ。
宮野明美を助ける」


妹の方は今は無理だが、いずれ自力で組織から逃げ出してくる。
その時にでも助ければいい。
念のため、保険を用意しておけば充分だ。
それよりも問題は姉の方だ。
予定がずれたせいで準備が不十分になった。
不十分になった分を埋めるなら、この二人で十分だ。


「断ったってもらってもかまわないが、その場合、彼女は死ぬことになる」


「何故、彼女が死ぬとわかる」


「お前たちが潜入していた組織はそうゆう組織だ。
裏切り者には死を―――そう考えているヤツがいる」


「ジン」


「正解だ。
それでは返答を聞こうか」


まぁ、答えがどちらでもかまわないが…。
私1人でやるより3人の方が助けられる確率が上がるとゆうだけで、私の行動は変わらない。


「わかった、手を貸そう」


「俺もかまわない」


「決まりだな」










(ところで、どうやって助けるんだ?)
(私を誰だと思っている、組織がどう動くかは調べればすぐだ)
((……))


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ