ショタ次男と一緒!

□次男は参謀
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 ここは、松野家。20歳過ぎのニートが6人も勢揃いする、ご近所では有名な穀潰しの巣窟である。そのため、両親は忙しい事からある程度の家事は子供が行っていた。――そう、数時間前までは。

 現在では、使った食器は山のように積み重なっており、帰ってきた時、両親の悲鳴等想像しなくても聞こえてきそうだ。
 それもこれも、全て松野カラ松、この松野家の次男が行っていた。

 しかし、現在のカラ松は、背丈は小さくなり、ぷにぷにな頬、紅葉の手。そして、いつもより大きな瞳。そう、幼児化したのだ。見た目の年齢からして、幼稚園に行くか行かないか、それくらいの歳だろう。

「ったく、こにょしゅがたじゃ、かりゃまちゅがーりゅじゅにもあえにゃいじぇ(ったく、この姿じゃ、カラ松ガールズにも会えないぜ)」

見た目は子供なのに、口ぶりは十分痛い。ませた子供ではなく、精神年齢そのままで幼児化したのだ。
 その証拠に、今現在カラ松はいつも使ってるマイ手鏡を取りたいらしく、いつもの置き場所だった棚の上をじっと見つめている。
 必死に手を伸ばすものの、全然手は届かない。でも、カラ松は諦める気配を見せず、近くにあった椅子を一生懸命引きずり、椅子を使って一生懸命取ろうと頑張るものの、ぎりぎりで手が届かない。
 すると、カラ松は椅子の上に箱を乗せ、その上に乗り一生懸命背伸びしてやっと手鏡をゲットした。

 刹那、カラ松の身体は不安定になり、大きくぐらりと揺れた。

「うわぁっ!?」

不安定な箱の上で背伸びをしたせいで、箱が地面に落ちる衝撃で、椅子も転がってしまう。

 近くに居たチョロ松は、「あっ」と声を上げるものの、パソコンのコードに足が取られ、転んでしまう。

 カラ松は、いずれくる衝撃に備えるよう、ぎゅっと目をぶつる。目の端に、涙を貯めて……。

 しかし、その前におそ松が動いた。

「ッ!!」

スライディングした為、椅子に強く身体を打ち付ける事になったものの、無事カラ松は腕の中。その様子を見て、おそ松は一瞬だけ優しい顔付にになったが、すぐ表情を切り替える。

「カラ松」
「ひゃ、ひゃい……」

地面に降ろされたカラ松は、おそ松の前で正座をした。可哀想なくらい、身体を震えさせ、今にでも泣きそうなくらい目に涙を貯めている。

「怪我したらどうするんだ!!」
「ひっ、ご、ごみぇんにゃしゃい(ごめんなさい)……」

カラ松は、殴られると思いぎゅうっと目を瞑る。

「鏡が取りたかったら、誰かに言えよ!!」
「ひゃ、ひゃい……」

カラ松は、反省するように俯く。それに反し、おそ松は許す気はなく、カラ松を睨みつけた。
 そして、おそ松はカラ松を小脇に抱えると、ズボンを投げ捨てる。カラ松は、何が始まるかに気づいたのか、ぶるりと身体を震わせた。
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