White Beard Family

□White Beard Family1
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世界最強の海賊白ひげが率いる最強の海賊団白ひげ海賊団。その1番隊隊長マルコが珍しく慌てていた。
「…ど、どういうことだよい」
仕事がひと段落して少しベッドで寝ようかなんて考えて布団をめくれば小さな女の子がいる。
誰かの隠し子か?…いや、島から離れて何日も経つ。こんな小さな子を隠してられるほど器用な奴はこの船にいない。じゃあ一体どこから来たのか。何者なのか。何故自分の部屋で寝ているのか。…答えはひとつ。
「グランドライン《偉大なる航路》…か」
嵐かと思えば晴れたり、暑いと思えば雪が降ったり。不可思議なことしか起きないこのグランドラインでは小さな女の子が異空間を飛ばされて来た。と考えてもおかしくはない。
「ぅ…ぴええええええええええ」
目の前のことを淡々と処理しようと必死に頭を唸らせていると、その問題の少女は目を覚ましたらしく泣き始める。
泣いてる子供をさらに泣かせることはよくあった。だが、泣いてる子供を泣きやますなんてこと、一体どうすればいいのか。
「よ、よい」
1番隊隊長であり白ひげの右腕とも呼ばれる不死鳥のマルコ。だが、子供相手となればただのおじさんだ。
「ぴええええええええええ」
「ま、待て!泣くなよい!な!?」
「うあああああああああああ!!!」
「ど、どうしたらいいんだよい」
パニック。大パニック。どんな戦いにおいても冷静でいるマルコ。大パニック。それにつられておチビさんも大パニック。
(子供と言えば、何が好きだった?…菓子か?菓子なのか?)
「サ、サッチがケーキ焼いて待ってるって言ってたよい!ケーキ食べに行くかい?」
「…ケーキ?」
少女がチラリとマルコを見つめる。目をゴシゴシと手で拭きながらじっとみつめる。
「そうだよい。サッチが特大のケーキ作るって言ってたよい」
しめた。あとで無理やりサッチにでもケーキ作らせればこの子の気持ちはなんとか反らせる!
「おいたんだぁれ」
グサリ。マルコの心にトゲが刺さった。海賊になりこの船に乗って20年以上も経つ。もうおじさんと言われてもいい歳だと言うのは気づいていた。だが、子供の悪意のないおじさんという言葉。完全にケーキに気をそらせたと思えば、おじさん。
「…お、おじさん、は、マルコ、だ、よい」
「マルたん、おチビさんケーキ食べたい」
「…よい」
この際マルたんは気にしてはいけないだろう。おチビさんを抱っこするとマルコは食堂へ向かった。
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