White Beard Family

□White Beard Family4
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朝、目が覚めれば腕の中にすやすやと眠るおチビさんの姿。
なんとまぁ幸せそうにお腹を出して寝ているのだろう。
「ったく…なんで俺が子守りなんか…」
とかいいつつ断れないのはきっと自分がいい人すぎるのだろう。
なんてマルコは思いながらおチビさんを起こさないようにそっと起きる。
机の上には大量の書類。昨日は仕事がはかどらなかった。
チラリと家族たちの手配書を見る。
親父に続きエース、サッチ、イゾウ、ハルタ…など。
このおチビさんもこのままこの船に乗っていればそのうちこの賞金首の仲間入りになるだろうか。
「私は白ひげ海賊団一番隊副隊長おチビさん!
マルたん!助けに来たよ!」
うん、大人になった彼女を想像した自分を殴りたい。
そして大人になっても彼女はマルたんって呼ぶのだろうか。
というか、どうして自分の隊の副隊長なんだ。
でも、これはこれでいいかもしれない。
なんとなく、いつも親父が息子たちの賞金が上がるたびに喜ぶ気持ちが
わかった気もしなくもない。
いや、娘だなんて思ってないからねぃ!?って自分に言い聞かせつつ
マルコは軽く服を着替える。…まぁ、シャツを羽織りなおすだけなのだけれども。
「…っ…マルたん…」
「よぃ!?」
「マルたん…おはよぅ…」
「お、おはよう」
まさかこの白ひげ海賊団一番隊隊長マルコがおチビさんが起きたことにも気づかないなんて。
まさか!この白ひげ海賊団一番隊隊長が気づかないなんて!(大事なことなので)
「おなかすいた」
「…朝飯、食いに行くかねぃ」
「はぁい」
その前に、彼女は着替えなくていいのだろうか。
というか、彼女を着替えさせるのが自分でいいのだろうか。
そもそも着替えの服がないんじゃ意味がないんじゃ。
自分の服を着せてもいいものだろうか。
冬島に行くときのみ着るシャツなんか着せたら…あぁダメだ。
彼女にサイズなんて合わない。
「マルコ隊長っ!!!」
ノックもせずに入ってくる女性軍。親父の専属ナースたちに間違いない。
「おチビさんが来たって聞いてビックリしましたよ」
「私達にどうして見せてくれないんですかっ!!」
「きゃぁあ!可愛いっ!あの子よ!!」
「あぁ!やっぱり3つぐらいだったわね!」
「何かあった時用に服作っておいて正解だったわね!!」
「着替えさせるんで連れて行っちゃっていいですか?」
「…好きにしろい」
あまりにも勢いの強い女性軍に怖気づくマルコ。
彼女達は嵐のように現れ、嵐のようにおチビさんを連れて行ってしまった。
「あ、朝飯…」
だが、今更思い出そうが彼女達から取り返すことはできないだろう。
それにあの素直なおチビさんのことだからお腹空いて連れてきてもらうに違いない。
…うん、大丈夫な方に賭けるしかない。
「マールコ!!!」
「…エースかい」
「あり?チビは?」
「おチビさんのことかい?」
「あいつおチビさんっていうのかー」
「ナースたちに連れてかれたよい」
「ふぅん…じゃっ、ちょっと見てくるわ」
「は?お前、行くのか?」
「ちょっと用事があるんだよ」
「おチビさんに?」
「そっ、じゃあな!」
これまた嵐のように帰って行ったエース。っていうか、溜めてる始末書だしてから帰れ。
なんて言う前に帰るものだから、何と憎たらしい奴。
…というか、おチビさんに用事って?
というか、全員俺の部屋に来ておいてアイツに用事かよい!!!
…まぁ、そりゃ、俺に用事がないのは知ってるけどよい。
「おい、マルコ」
「なんだよいサッチ」
「どうした?嵐でも来たような顔してるぞ」
「…あながち間違いじゃないねい」
「なぁ、朝飯作り終わって一息入れてたんだ。一緒に食わねぇ?」
「…お前って奴はっ!!」
サッチ、お前は俺にちゃんと用事があるんだな…やっぱり、お前は一生の親友。
「あ、おチビさんちゃんもいる?おチビさんちゃんに特製オムライス作ったんだよなぁ…。
…痛いっ!!!」
「やっぱりお前なんて親友じゃないよい」
「え!?え!?何のこと!?」
ただ、朝食をサッチと一緒に食べ、その後なかなか食堂に現れない
おチビさんのことをそわそわと気にかけていたオッサン二人がいたことも事実。
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