White Beard Family

□White Beard Family5
1ページ/1ページ

「なぁ、サッチ」
「どうした?」
「あまりにも遅すぎやしないかい?
おチビさんはまだ飯食ってねぇだろい」
「…確かに」
「…迎えに行った方がいいかねい」
「…すっかりパパだな」
「誰がパパだよい!!」
一番隊隊長、白ひげ海賊団船長白ひげの右腕マルコが
おチビさんちゃんがなかなか食堂に現れず慌てている。
こんな光景見た次の日は槍が降ってくるんじゃないかって
皆恐怖を抱いている。
そんなこと知らずおチビさんちゃん。
「これ、かあいいねー」
「そうでしょそうでしょ!?」
「私達が昨日一生懸命作ったの!」
「いつも野郎どものムサイ服の直しばっかりだもの!!
たまにはこんなフリフリ作らなくっちゃ!!」
「あぁもうっ!!小さい子って目の保養ね!!」
お姉さんたちの着せ替え人形にされていました。
だけども本人もまんざらじゃない様子。
服を着れば可愛いと褒められ、いつもは着ないような可愛い服を着せてもらえる。
子供は新しいものに弱い。朝ごはんなどそっちのけだ。
「あのね、おチビさんこのふくしゅき」
「じゃあこれもあげちゃうっ!!」
「ちゃんとしたスリーサイズも測れたし、今日からまた作れるわね!」
「あぁもうっ!どうしてこの前の島でもっと布買わなかったのかしら!!」
そこにノックもせずにドカンと扉を蹴ってエース登場。
…だが、それにだれも見向きもしないのだからきっとこれは日常茶飯事。
「よぅ!!何してんだ…って、チビ、髪の毛二つにくくったのかー」
「かあいい?」
「おぅ!似合ってるぞ!!」
「ありあとー」
エースにぺこりと頭を下げてお礼を言うおチビさんちゃんに
黄色い歓声を上げるナースのお姉さんたち。
…彼女達は仕事をしなくていいのだろうか。
「あ、そういやさ、こいつやろうと思ってよ」
「こいつ?」
「この前よー、財宝見つけて皆で山分けしたんだけど
俺いらなくってさ、一つでも貰っとけって貰った奴。
いらねーからやるよ」
「じゃいほう?」
「おぅ」
エースがポケットから取り出したのはキラキラ光る石が付いたネックレス。
ただ、おチビさんが付けるには少し大きいようだ。
「んー…そっか、お前チビだったな」
「チビじゃないもん」
「お、じゃあ、これでいいくね?」
エースが器用に首紐をくくりおチビさんの首丈に合わせる。
それに嬉しそうに笑ったおチビさんちゃん。
「ありあと、エーシュ」
「おぅ!んじゃあ、朝飯食いに行こうぜ!!
それから親父のところだな!」
「あ、おなかしゅいたー」
「サッチが飯作ってきっと待ってるぜ!
マルコも今頃ハラハラして待ってるかもな!」
「マルたんのとこいくー」
「じゃあおチビさんちゃんまた来てね」
「んっ、ねぇねたちありあとー」
再び黄色い歓声が上がったのは言うまでもない。
エースに手をつながれて食堂まで向かうおチビさんちゃん。
エースはゆっくり歩いているが、その大きな一歩に近づけるためには
たたたっと駆け走って行かなければならない。
「お前足小さいな。やっぱチビだ」
「チビじゃないもん。おチビさんだもん」
「ルフィもお前ぐらいの時は俺についてくるの大変そうだったよ」
「ルフィ?」
「おぅ!俺の弟でな!」
ゆっくりゆっくり食堂へと向かうエースとおチビさん。
マルコはその頃、机に伏せて「迎えに行くべきか、迎えに行かないべきか…」と
サッチに何度も聞いてたそうな。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ