変態捜査官
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「へっへへ〜、什造くんは何が良いかって聞かれたら全部、って答えちゃうね〜お姉さん」
「それ楽しいです〜?」
「とぉおおおっても楽しい」
部下を抱き枕にする上司。
しかもここは、会社の仮眠室。
「ねぇねぇ、これ、どうなってんの」
「くすぐったいです〜」
指で赤い糸をなぞるとくすぐったそうに笑う什造。
「絢瀬さんにもやってあげましょうか?」
「んーん。私がやっても萌えないから遠慮しとく。
……什造くんの真っ白で綺麗な肌に赤い糸…はぁ、興奮しちゃうなぁ」
そのままなぞる。
首にある赤い糸にゆっくり唇を近づければそのままキスをする。
「ッ…」
そこで色っぽいため息を付け加えればさっきまでお気楽な顔をしていた什造も若干顔を赤くする。そのままゆっくりと顔を上にもって行き唇と唇が触れ合う距離にまで詰めた。
「絢瀬さん」
「なぁに?」
楽しそうに目を細めると、そのまま顔をもっと上に持ってきて今度は目の下にキスをした。
「ここの赤いヤツも好きだよ。あとこのクマも」
ふふふ、と笑うと今度は什造のうえの服に手をかけた。
その時だった。ドアが開き
「こら」
と声が聞こえた。
「あちゃー」
そこで、いたずらがばれた子供みたいな声をあげて体を起こす絢瀬。
「篠原さん」
同じく状態を起こす什造。
「仮眠室はそういう事をするためのもんじゃないんだぞ」
そういいデコピンをお見舞いされる絢瀬。
「もー、折角盛り上がってたのにー」
そういうと、ベッドから降りて靴を履く。
それから篠原の隣へ行くと
「篠さんは、頑張り屋なところが好きだよ。でも、最近無理してない?」
目の下に微かにできたクマを撫でながら言う。
それを見て少し驚いた顔をするが、困った顔をして
「まったく、キミには敵わないなぁ」
と笑った。
その光景を見ておもしろくなさそうにベッドの上で頬を膨らます什造を視界に捕らえると絢瀬は機嫌を取るように早々と彼の横にきた。
それから、また目の下にキスを落とすといたずらっ子のように笑い
「また遊ぼうね」
と、いい仮眠室から出て行った。
それをボーと見る什造。
「篠原さん」
「ん?」
「絢瀬さんって面白い人ですね」
「はは、什造がそういうんだから彼女はよっぽどなんだろうな」
「なんで笑うですか」
「いや、什造のその反応が新鮮味があって」
さらにムスッとする鈴屋に少し言い過ぎたかな、と心の中で少し反省する篠原。
「よし、仕事やるぞ、什造」
それを誤魔化すように本当の目的を告げる篠原。
「はーい」
渋々承諾するとベッドから降りて先に行ってしまった篠原の後を追った。