月明かりを嫌う

□学園長先生の突然の思い付き
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お客様用の部屋の用意があるという事で、今夜は学園にお世話になる。

小助さんと彦太さんの勉学の為に、予定では数日滞在するみたい。


私は結局学園で生活するようになるのかが気になる所だけど、私の事情を把握している学園長と小助さんとで、最善の方法を模索してくれるそうだ。

神隠しによって現れた私は帰り方が分からない。
だけど、帰るべき所があるなら帰る方がいいと、学園長と小助さんが口を揃えた。
それは当然の意見だし私もそう思う。
二人が言うには、後は私がどうしたいかで決まる。

だから意思を確認された時、私は帰りたいと答えた。
どうしたいのか、気持ちという点では分からない。ただ頭では、すべき事は当然分かるから。

小助さんは何か言いたげだったけど、分かったと頷いてくれた。



不機嫌のピークから若干落ち着いた彦太さんと共に、小助さんは先に部屋へ向かった。
ここへ勉強に来た時はいつもその部屋に寝泊まりするらしい。


山本シナ先生始めくの一教室は全く別扱いで、それ専用に敷地があって完全に隔たれている。
私はそちらでお世話になるのだ。

緊張で倒れそうだったが、不安を抑えて山本先生についていった。


お風呂までお世話になって、あてがわれた小さな部屋にやって来ると、もう寝床が出来上がっていた。

ちなみに食道へ向かう廊下で見かけたくの一教室の子たちとは、この時は出会わなかった。


山本先生に促されておずおずと敷布団に座る。
この世界で初めて見る、敷布団。
普通は畳だが(八重畳と言うらしい)、裕福な所には敷布団があるようだ。
しかも学園のはお客様用にしてもかなり質がいい。
学園の経済力は相当である事がうかがえる。

きっと、周囲の各国の情勢にも大きく影響を与えてるんだろうな。
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