山椒魚の日常
□聖誕祭in2016
1ページ/10ページ
※選択で結末が変わるルート分岐あり(全部で4つのEND)
いつもより恋愛要素強め(当社比)
no side
「鱒二!次は聖誕祭をやろう!!」
扉を勢いよく開け放ったのはポートマフィアの首領である森鷗外だ。彼に鱒二と呼ばれた、一見すると女性に見える男は読んでいた本から顔を上げ、数秒程ポカンとしていた。
あれ、何この既視感。万聖節の時と一緒じゃん。
そんな事を感じながら、彼は状況を吞み込めないまま口を開く。
「・・・うちはキリスト教信仰してないけど」
余程動揺していたのか、出て来た言葉は余りにも素っ頓狂であった。つまり何を云っていいのか判らないのである。
「いや、別に宗教的に祝いたいわけじゃないよ」
「うん、そうだろうね。こっちも知ってて云ってる」
表情を変えることなく真顔で頷くと、鷗外はガクリと肩を落とした。
「で、今回は一体何をしたいの?また全員巻き込んでパーティーとかする?」
「それなんだけど・・・鱒二、君の12月24日を私にくれないか?」
「・・・え?」
12月24日というと・・・確か聖誕祭前日だ。
「祝い事だし、全員で祝うべきなんだろうって事は判っているんだ。・・・でも鱒二と一緒に、二人きりで過ごしたい」
「でもエリスは?」
鱒二は困惑したような声を出した。と云うか実際困惑していた。それは鷗外からの提案が自分の予想を超えていたからである。
彼の言葉に鷗外は小さく息をついて呆れ顔をした。
「はぁ・・・。きちんと話を聞いていたかい?私は"君と二人"が良いんだ」
君と二人、の部分を強調して云う鷗外にますます混乱する。
何故自分が誘われているのか?と。
それもそのはず、鱒二は鷗外はエリスと二人(異能力を人と数えて良いのかは判らないが)で過ごすと思っていた。だが蓋を開けてみればこんな状況に陥っている。
鱒二の返事は・・・・・・、
→「君がそう云うなら」 2ページ
→「嬉しいけど、ごめんね」 4ページ
_